ユダヤ人にとって過ぎ越しの祭り(ペサハ)の意義と意味とは?


お祭りというのはどの国の
どんな地域や文化にとっても、

特別な意味がある行事ですが、

数千年に及ぶ長い年月をかけ生き残り

教えを守り通してきたユダヤ人にも
お祭りというのは特別なものです。

中でもユダヤ人にとっての
三大祭りの1つであり、

聖書にも記載されている

「過ぎ越しの祭り」(Pesach”ペサハ”)

の意義と意味はどういうものでしょう?

冬の雪が過ぎて春になると、

イスラエルでは
「過ぎ越しの祭り」の
季節がやってきます。

ユダヤ暦のニサン月15日

太陽暦では三月下旬から四月中旬
まで一週間かけて行われます。

非常に長い行事ですが、
過ぎ越の祭りというのは、

歴史的意味、宗教的意味、農業
それぞれの意味があり

歴史的には、

ユダヤ人が奴隷生活を送っていた
エジプトからの脱出(エクソドス)を
祝って行われるお祭りで、

宗教的には、

神は救い主として解放された、

イスラエル人はエジプトでの
ファラオの奴隷である事を辞め
神のみの僕(しもべ)となった日

農業的には

春のお祭りで、

新たなる成長の始まりと
最初の穀物(大麦)の収獲を祝う

という意味があるとされています。

ユダヤ人はこのペサハの祭りを通じ
何をして何を学ぶのでしょうか?

ユダヤ人と過ぎ越しの祭り


99%のイスラエル人は
この過ぎ越しの祭りの伝統を守り、

子供たちも一緒に参加します。

こうしたイベントを通じ、

ユダヤ人は彼らの民族の歴史と
信仰を脈々と伝えてきたのです。

ユダヤ人はこのお祭りを通じ
幼い頃から出エジプトの物語を
覚えてしまうと言います。

中でも特徴的なのが、

過ぎ越の祭りが近づくと、

イスラエルのユダヤ人の町では
ドラム缶で出来たかまどが置かれ

その上にある大きな釜の中では、
煮え立ったお湯が湯気を立てています。

一体何をしているのかというと…

皿や鍋などを熱湯に
次々と入れているのです。

過ぎ越しの祭りは別名で
「種入れぬパンの祭り」

ともいわれ、

家中の皿や鍋からパン種である

イースト菌を徹底的に
除去しなくては行けません。

この意味と意義は、

紀元前1280年頃エジプトの奴隷
だったユダヤ人の祖先60万人が、

カナンを目指して脱出した際に

イーストを入れてパンを発酵させて
焼くだけの余裕がなかった

という故事にちなんでいます。

つまりペサハの意義は、

もっぱらユダヤ人の自由解放と
ユダヤ民族誕生記念の祭り

という面が強調されるのです。

イースト菌の徹底除去をする


聖書時代からずっとパン種を
キレイに除く努力をしてきて、

過ぎ越し祭りが始まった後で
パン種が見つかるのは

重大な律法違反と見なされてきました。

一片でもイースト入りの食物が
あってはいけないというほど
徹底して家中を探索し、

食品はすべて燃やします。

さらにイーストに触れた事のある
食器や台所用品は

完璧に清めない限り使用できない
というルールがあり、

イスラエルなどではこの祭りの
前日までは、準備に大忙しです。

なので、時期が近づくと辺りに住む
人々がみなそこに食器を持ち寄り、

釜の中で煮沸する姿が見られるのです。

ただ、簡略な方法として、

ストープや冷蔵庫、流し台など
すべてアルミホイルで覆ってしまう
というやり方もあるようですが。

ユダヤ人はこの時期が来ると、
日本人がお正月を迎える前のように

一家総出で大掃除をします。

これと似たようなものかもしれません。

この時期になれば世界中から
ユダヤ人はイスラエルに帰国し、

過ぎ越しの祭りを祝います。

それくらい重要であり、
盛大なお祭りなのです。

そして過ぎ越しの祭りの間は

パン種の入っていないクラッカー
のような固い食べ物を食べます。

ヘブライ語でマッツァーと呼ばれる、

小麦粉と水でこねて焼き上げ
発酵を防ぐものを食べます。

イーストも塩も入っていない…

これをパンの代わりに
毎食口にするのです。

確かに美味しくはありませんが、

民族的な意味でそこには
重要な意義があるわけです。

過ぎ越の祭り夜の行事「ハガダー」


食に関する厳格な戒律は
私たち日本人にとってなかなか
馴染み深いものではありませんが、

この祭りでは、

すべての食品がペサハ適合食品
でなければ行けないので、

ワインでも

「Good for Passover」

と認定されたものでないと
飲めないそうです。

過ぎ越しの祭りの儀式は
簡単に説明すると、

まずパン種が家の中に残ったないか
どうかのチェックから始まり、

そしてその後、家の主婦がろうそくに
灯をともしお祈りを唱えると、

頭にキッパーと呼ばれる
小さな祈祷帽をかぶったその家の
主人が祭りの始まりを告げます。

続いて1回目の祝福があり、

それから4時間以上皆そろって
物語が書かれたハガダーと呼ばれる
式次第を読みながら

ユダヤ人がエジプトを脱出した
故事を追体験するのです。

こうして視覚、聴覚、触覚(体感覚)
など五感を通じて、

家族全員でユダヤの伝統を
体と脳に染み込ませるのです。

そして、

過ぎ越しの祭りの最初の夕食は

それぞれの家庭で伝統的な
形式に沿って守ります。

先祖の苦しみを忘れないために

マッツアー以外にも、

まずくて苦い野菜、塩水、
西洋わさびなどを食べます。

日本では祭りの日は「ごちそう」
というイメージがありますが、

彼らは苦しみを追体験する事で、
それを戒めするのでしょう。

ただし彼らも、

苦いものを食べた後は
ローストチキンやビーフなどの
御馳走が出ると言います。

この過ぎ越しの祭りは

テキストに沿った行われる
夕食の儀式を「セデル」と呼び、

象徴的な儀式の一部です。

実際に食べるまで長い儀式が続くので
かなりお腹が空くようです。

簡略化せず全部のハダガーを読むと、
終了は夜中になる事が多いそうです。

イスラエル以外の国では、

この儀式を2晩続けて行う
事になっていると言います。

こうした祭りを通じ
家族全員で儀式に参加する事で、

幼いユダヤの子供たちは
重要な教えを学んでいきます。

伝統を守り受け継ぐ
ユダヤの祭りには興味深い
意義や意味があるのです。

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