古代ローマ人、ギリシャ人も用いた性格の類型論(タイプ論)

さて、

膨大な性格を分類する方法として、

古い時代から人間が用いてきた、
整理方法というのは、

類型論(タイプ論)

と呼ばれるものです。

これは前回紹介した例のように

人々をいくつかのカテゴリに分類
することで整理を試みるやり方です。

ざっくりとした分類で

「あの人は怒りっぽい」
「私の彼は優しい人」
「うちの上司は石橋を叩いて渡る人だよ」

といった「〇〇な人」

という言葉で表現される特徴、

ある人について「〇〇な人」
というカテゴリに入るかどうかを
判断するので、

まさに類型論的な表現方法なのです。

人の性格は〇種類に分けられる
というような占いや心理ゲーム、

それらに関連する書籍も
多数出版されていますが、

これも類型論です。

このテーマで詳しく解説する
ユングの16パターンの性格タイプや
エニアグラムの9つの性格タイプも
この類型論の性質があります。

血液型、星座、干支、人相、都道府県別気質
などに非心理学系の性格判断も、

基本的には

「何に当てはまるか」で
人々を少数のカテゴリに分類し、
性格の判断をしますので、

類型論と言えるでしょう。

前回、生物を哺乳類や爬虫類など
分けて整理する例を紹介しましたが、

性格の類型論はその整理方法を
人間の性質に当てはめたものです。

さて、

もちろん人は古来から
こうした分類を分ける思考法を
持ってきた訳ですが、

その分け方も進化発展するものです。

こうした整理方法の歴史は古く、
起源は古代ギリシャ・ローマ時代
にまで遡ります。

例えば、

古代ギリシャの哲学者であり
植物学者でもあったテオプラストスは

「人さまざま」という著書を残しています。

この本には、

「へそ曲がり」「おしゃべり」「虚栄」
「恥知らず」など

30の性格を取り上げており、
当時の人々の生活の様子が
リアルに描かれていますし、

性格そのものは今と昔も
あまり変わっていないことも理解できます。

例えば、

「へそ曲がり」の人は、
挨拶をされても返さず、

道で石につまづけばその石に
悪態をつき、長い間待つことはしないなど、
言葉や態度が無礼で荒っぽい人
として描いています。

テオプラストスが生きていた時代と
今私たちが生きる現代は、

環境はまるで違うことでしょう。

しかし、当時も今と同じような
特徴の人がいたというのは、
非常に興味深いです。

また、古代ギリシャの医師
ヒポクラテスによる

体液のバランスが病気につながる
「四体液説」がありますが、

これに由来し、古代ローマの
ガレノスが発展させた、

「四気質説」は性格分類の
起源の1つとされています。

人間の基本的な気質を4つに
分類するもので、

「多血質」は、
快活、楽天的で社交的、

「黒胆汁質」は、
心配性で暗く憂鬱になりやすい、

「黄胆汁質」は、
感情的で怒りっぽく攻撃的、

「粘液質」は、
穏やかで公平で堅実な気質

とされています。

この四気質説は近代医学が
発展する19世紀まで受け継がれ、

多くの文献にも記述され、
様々な理論の基礎となっています。

精神分析の世界で有名な
メランコリー、メランコリックな性格
という言葉も、

この四気質説における
黒胆汁質のことです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

こちらの記事もおススメ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。