オスカー・イチャーソと性格タイプ論としてのエニアグラム

エニアグラムを語る上で
外せない2人の人物がいます。

それがグルジェフ、そしてイチャーソです。

現代人はエニアグラムを
心理分析ツールとして捉えています。

が、前回まで紹介した、

自然のプロセスモデルとして

グルジェフの提唱した
エニアグラムの原型ですが、

これを彼は

「神聖舞踏」(ムーブメンツ)

を通じて広めていきました。

舞踏、つまりダンスです。

それは静止した図形ではなく、
ダイナミックに動く

生きたシンボルとして
考えるべきと説明したのです。

一方で、

グルジェフやその他弟子の書いた
出版物のどこにも、

現代の我々が認識する

エニアグラム=性格タイプ判断

という教えの記述はどこにもないのです。

つまり性格タイプとしての
起源はもっと最近のことであり、

これは2つの主な流れに
根ざしています。

1つ目の流れが、

オスカー・イチャーソ

によるものです。

彼はグルジェフと同じく、

若い頃から、知的探究心を発揮し、
「失われた知」を明らかにする
パッションに魅了されました。

そして子供時代から
大変優秀だったその知性を持って、

さらに読書家の叔父の持つ
膨大な哲学や形而上学の文献から
情報をインプットしました。

また彼はかなり若い頃から
古代の英知を求め旅に出ます。

故郷のボリビアからアルゼンチン
ブエノスアイレスまで、

またの後に世界のあらゆる地域に
旅をしたのです。

そして、

中東への旅ののち、
南米に戻り、自分の学んだことを
咀嚼し始めます。

こうして生まれたのが、

心理学的な、性格タイプとしての
エニアグラムの原型なのです。

イチャーソは、

エニアグラムの多くの要素を研究し、
統合しているうちに、

1950年代に図形と性格タイプの
つながりを発見します。

彼がエニアグラムの図形と
結びつけた9つのタイプというのは、

”人間性に反映されている
9つの神聖な特質を想起する”

という古代の伝統に由来するもので、

こうした考え方は、

少なくとも新プラトン学派にまで遡れます。

3世紀のプロティヌスという哲学者は
『エニアッド』に記述しています。

ちなみに、

キリスト教社会で言われる
「7つの大罪」

怒り、プライド、妬み、ため込み
貪欲、欲望、怠惰

もこの流れを汲んだ考え方と言われ、

そこにさらに2つ、
恐れと欺きが加わっています。

エニアグラムと「7つの大罪」
に共通するのは、

「それらはすべて私たちの中にあるが、
そのうちの1つが特に何度も現れやすい」

という考え方です。

これが私たちが精神のバランスを
失ってしまう素であり、

自我にとらわれる原因となるのです。

イチャーソはまた、

古代ユダヤの伝統であるカバラも
丹念に探求したと言われています。

この神秘主義的な教えは
12〜14世紀におけるフランス、スペインの
ユダヤ人社会で発展したと言われていますが、

その源流は、古代ユダヤ教の神秘的伝統、
グノーシス派、新プラトン学派の哲学の中にある、

カバラの哲学を表す有名なシンボルが
「生命の樹(Etz Hayim)」でしょう。

まさにエニアグラムのように

一体性、3つの要素、7つの部分をともなう
展開のプロセスを含むのです。

グルジェフからイチャーソまで
こうした流れを踏まえ、

エニアグラムは現代まで続いてくるのです。

このテーマではこうした
神秘主義や哲学にまで詳しくは踏み込みません。

次回以降あくまで心理学、性格分析学
のツールとしてエニアグラムを
紹介するつもりですが、

こうした大きな源流からの流れにある
というイメージを前提として持っておくことで、

これからの学びがより深くなるはずです。

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