赤ちゃんの触る、触られる感覚、四肢を動かす運動の発達の特徴

赤ちゃんの触る、触られる感覚、四肢を動かす運動の発達の特徴
今回のテーマは、

赤ちゃんの触る、触られる感覚、
四肢を動かす運動の発達の特徴

について紹介します。

前回紹介したように、

生まれたばかりの赤ちゃんが、

新生児摸倣と呼ばれる、

他者の運動情報を
自分に対応づけられる、

というのも驚きの
能力と言えますが、

赤ちゃんはさらに、

新生児時期から自分の身体と
他者の身体の違いに、

かなり敏感であるという
事も分かってきています。

アメリカのエモリー大学の
ロシャらのグループは、

「口唇探索反応」を利用した
興味深い実験を行っています。

口唇探索反応というのは、

赤ちゃんが口の周りに
触れる物があるとそれを
吸おうとする、

お乳を吸う為に赤ちゃんに
自然に備わっている行動です。

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赤ちゃんの触る、触られる感覚

ロシャたちは、

赤ちゃんは自分の口に
近づく物を区別する事なく
吸い付こうとするのかどうか、

特に

「他者の指」と「自分の指」

を区別して吸い付こうと
するのかを調べました。

他者の指を吸うときには、

「自分の口が指に
触れている感覚」

のみが伝わります。

一方、
自分の指を吸う時には、

「自分の口が自分の指に
触れている感覚」

と、指から伝わる

「指が触れられている感覚」

の二重の感覚が伝わります。

ロシャはこの感覚を
「ダブルタッチ」と呼び、

自分と他者を区別する為の
基礎的な感覚であるとして
着目したのです。

赤ちゃんの身体を動かす運動の発達

新生児の口元に、

実験者の指を近づけて
触った時と、

実験者が赤ちゃんの
手を持ってその指を口元に
近づけて触った時とで、

口唇探索反応が見られる
割合を比較したところ、

赤ちゃんは実験者の
指が口元に触れた時に、

より頻繁に口唇探索反応を
示したそうです。

この事は赤ちゃんが
他者に触れられている感覚と

自分が自分に触れている
感覚を区別できる事を
示しています。

生まれたばかりの赤ちゃんでも
触る、触られる感覚など

「自分の身体」に関する
基礎的な感覚を備えて
いるのです。

新生児にも自分の身体に関する
基礎的な感覚が身に付いている

と言っても、

やはり新生児の手足の
動きはぎこちなく、

とても自分の思う通りに
動かしているようには見えません。

生まれたばかりの赤ちゃんの
四肢の運動は反射、

あるいはジェネラルムーブメント
と呼ばれる、

意図を介しない自発運動に
支配されると言われています。

赤ちゃんは意図して四肢を動かすか

しかしながら、

赤ちゃんの行動をよく
観察すると、

新生児にも意図がある事を
想定しないと説明がつかない
ような行為が発見されています。

そのうちの一つが、

手と口の協調行動です。

バターワースと言う
イギリスの研究者は、

生まれて間もない赤ちゃんが
自分の手を口に持っていく
行動を丹念に観察し、

赤ちゃんが手をでたらめに
動かしているのではなく、

口に至るまでの最短ルート
を通る事が多い事、

手が口に近づいてきた時に
予測的な「口開け」が
起こる事を発見し、

これを人の意図性の始まりと
結論付けました。

予測的な「口開け」を
意図性の始まりとするのが
適切かどうかは、

議論の余地がありますが、

その後、さらに意図的
と思えるような

新生児の行為がノルウェーの
ヴァンデルミーアらに
よって発見されました。

新生児の両腕に軽い
おもりを付けて、

手がつま先の方へ
引っ張られると言う
状況を作り、

片方の手だけをテレビ
モニターに映し出すと、

新生児はテレビモニタに
抵抗して力を入れる、

と言う行為が見られる事を
報告したのです。

ヴァンでルミーアは
このような行動から、

新生児が目的的な
手の運動をコントロールが
できると考えました。

胎児も意図して自分で動く

さらに驚くべき事に、

近年の医療技術の発達により

四次元エコー(四次元
超音波画像診断装置)

を用いて胎児の身体運動を
リアルタイムに観察する事で、

バターワースが発見した
予測的な「口開け」は、

実は胎児の頃から
行っている事が分かって
きました。

京都大学の明和政子さん
らのグループは、

四次元エコーを使って、

胎児の身体運動の
パターンについて観察を
行いました。

すると胎児は妊娠20週には
手を口に持っていく行動を示し、

22週を過ぎるあたりでは、

口の中に手を入れる
行動を示すようになったそうです。

さらに興味深い事として、

手が口に近づくと
それを予期したかのような
「口開け」が起こると、

そう言った予期的な「口開け」は、

手や耳がおでこに向かったり
する場合には現れない
という事を発見しました。

胎児の研究はまだまだ
始まったばかりです。

しかし胎児での運動経験が、

生まれてからの行為や
認知に影響を与えている事は
疑いようがなく、

今後、胎児期を含めた
赤ちゃん研究の重要性は、

ますます増えていくと
考えられます。

赤ちゃんの触る、触られる感覚や
四肢を動かす運動の発達の特徴は
興味深い物です。

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