赤ちゃんの自己認識、自分と他人の区別をする力、新生児摸倣


人生は学びです。

子供は様々な環境から学習します。

赤ちゃんは、

お母さんや周りの人、
物との関わりを通じて、

自分という存在に
きづいていくものです。

そして大人になっても、
自己発見というのは続きます。

では赤ちゃんは、

自分の身体をいつ頃から外の
世界と区別できるのでしょうか。

赤ちゃんはいつ頃から

お母さんやお父さんがそれぞれ

自分とは異なる心を持った
存在である事を気づくのでしょうか。

さらには、

なぜ私たちは自分の
顔を直接見た事もないのに、

に映った自分の顔を
自分だと思えるのでしょうか。

今から半世紀前まで、

生まれたばかりの赤ちゃんは

自分も他人も区別できない
混沌とした世界を生きている、

と言われていました。

赤ちゃんの自己認識の始まり

しかし、
科学の進歩は進んでいます。

近年の研究によれば、

赤ちゃんは新生児の頃から、

いいえ、むしろ胎児の頃から

自分に関する基礎的な
認知能力、自己認識をする力を
持っている事が分かってきました。

人間の脳はやはり特別なようです。

ここでは、
生まれたばかりの赤ちゃんが、

身につけている
自分と他人を結びつける、

或は区別する能力についての
研究を紹介しましょう。

生まれたばかりの赤ちゃんが、

対面する大人の表情を
真似する事ができる、

と報告した新生児摸倣の
発見はかなり有名です。

1977年にアメリカの心理学者
メルツォフによって発見された

新生児摸倣という概念は、

当時の学術界に衝撃を
与える物でした。

この論文が出版された当時、

今の発達心理学の基礎を
築いたピアジェでさえ、

赤ちゃんが大人の
顔真似をするようになるのは、

8~12ヶ月の頃
と考えていたからです。

しかしどうやら後天的ではなく
先天的な能力のようです。

顔の表情を真似するのはなぜ?

メルツォフは、

生後12~17日の
赤ちゃん6名に対し、

三種類の表情と一種類の
手の動作を見せて、

それに対する赤ちゃんの
反応を記録しました。

見せた表情は、

口をすぼめて突き出す「口出し」

口を大きく開ける「口開け」

舌と突き出す「舌出し」

…の三種類です。

見せた手の動作は

手をパーからグーにする
「手握り」です。

それぞれの表情と動作を
見てた時の赤ちゃんの反応を

12名の大学生に
判定してもらったところ、

全ての大人の表情、動作
に対して赤ちゃんが、

同じ表情、動作を行ったと
判定した人数が統計的に
多かった事が分かりました。

その後様々な形で
メルツォフの実験の追試が行われ、

人の顔をまったく見た経験のない
生後数時間の新生児でも、

新生児摸倣ができる事、

摸倣が良く観察されるのは主に
「口開け」と「舌出し」であること、

そして、興味深い事に
生後二ヶ月を過ぎる頃には、

新生児摸倣は消失してしまう事

などが明らかにされたのです。

赤ちゃんの視覚と聴覚を使う自己認識

新生児摸倣の発見が
重要視されるのは、

生まれたばかりの赤ちゃんが、

自分の口がどこにあるかを
視覚的に見た経験がほぼ
ゼロであるにもかかわらず、

表情を見せる大人の口と
自分の口が同じものとして
キチンと対応づけられ、

自己認識をして真似できている
と言う点にあります。

これで人間の学習プロセスに
大きな気づきを与えたのです。

さらにメルツォフが
発見した新生児摸倣は、

音声でも生じる事が

2004年にアメリカのチェンら
のグループが発見しました。

チェンら研究者は

「アー」という母音と
「ムー」という子音について、

赤ちゃんが音声摸倣する、

すなわち、音声を聞いただけで
赤ちゃんが音声に応じた口の形をする

という報告を行いました。

25人の生後7日以内の
赤ちゃんに対し、

女性の実験者が

「アー」あるいは
「ムー」という発音で、

一回当たり4秒の音声刺激を
四回ずつ聞かせたところ、

「アー」という音声を
聞かせた条件では、

「口開け」をした赤ちゃんの割合が、

「ムー」という音声を
聞かせた条件では、

口を閉じた赤ちゃんの割合が、

それぞれ高かった事が分かりました。

実験場面では、女性の実験者が
赤ちゃんと対面した状況で、

音声を聞かせていたそうですが、

その中で目をつむっていて実験者の
口の動きを見ていなかった赤ちゃんでも

音声も方が確認されたという事でした。

子供だけでなく親も最高の成長をする

これらの発見は、

生まれて間もない赤ちゃんが

視覚や聴覚といった
感覚の違いを越えて、

他者の運動情報を自分に
対応づけられる能力が
ある事を示しています。

メルツォフは、

他者の身体運動のイメージと、

自分の身体運動のイメージとを
対応づけるシステムを

赤ちゃんが生まれながらに備え、

自分に似ている事を手がかりに、

赤ちゃんが自分の認知の世界を
広げていくと言う格差を述べています。

こうした新生児摸倣から
赤ちゃんの自己認識が始まり、

自分と他人の区別をする力を備え
成長をしていくという事です。

大変興味深い実験です。

そしてつまり、

他人のふりを見て学ぶということ、
モノマネしたりということは、

子供が最も影響を受けるのは
親ということです。

子供のしっかりとした
成長を望むのであれば、

親である私たち自身の
身の振りを意識する必要があります。

子育ては親子の最大の
成長の場になるのです。

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