幼児、子供に鏡で自分を見せる、自我の発達と自己認識のステップ


「私は一体誰なんだろう…」

そんな根源的な問いを一度や
二度は誰もがしたことがあるでしょう。

ただ、

こうした問いかけは意外に
複雑な脳の機能がなければなりません。

自分を自分で客観して分析する…

人間ならではの所業ですが、

実は赤ちゃんの頃はこれができません。

自分のことを考える、
他人のことを考える、

というよりむしろ、

この時期は、自分と
他人はつながっているのです。

よちよち歩きが
できるようになり

自分の見える世界が
グッと広くなった頃、

子供を大きな鏡の前に
連れて行ってください。

鏡には子供とお母さんの
姿が映っています。

しかし幼児は、

それが自分の姿であるとは、

最初のうちは気がつきません。

不思議そうに、

鏡の中のお母さんと
実際に自分の横にいる
お母さんを見比べています。

「ママが二人いる。変だなあ」

という表情をします。

そのうちに、

鏡の中のお母さんと、
現実のお母さんとは、

まったく同一の物である
ことを悟るのです。

あれ?これって…私?

そして次は自分です。

自分の姿は、

今、始めて見えた訳ですから、

お母さん、つまり他者の
場合より認知が遅れます。

しかし、右手で鏡を
たたいてみると、

相手も叩く、

笑ったり泣いたり、

百面相をすると
相手もその通り真似をします。

一体この生き物は何だろう。

この向こうには世界があるのか?

でも、中には入れないし…

姿見などでは、

後ろへ回って誰か
いないか探したり、

鏡の中の相手に
話しかけたりもします。

そのうちだんだんと

鏡の中に移っているのが、

他ならぬ自分である
という事を悟るのです。

自我の認識ができたという事、

そして幼児の自我の発達が
始まるのです。

これは面白い現象です。

幼児、子供に鏡で自分を見せる

小さな手鏡を幼児に渡すと、

そこに自分がいる事を
知らせようとして、

お母さんを呼んだり、

手を引っ張ってみせよう
としたりします。

「これだあれ?」

とお母さんが聞けば

「○○ちゃん」

と自分の名前をいえば、

完全な自己認識が
できたしるしでしょう。

自己の認識、自我の発達は、

社会性を獲得していく
為に大切なステップです。

鏡遊びはその為に
必要なステップです。

犬や猫に鏡を見せても、

身体を丸めておどしたり、
ほえたり、引っ掻いたりして、

それが自分とは
認識しない物です。

イソップ物語に有名な
話しがあります。

犬が肉を加えて小川の橋を
通りかかります。

ふと下を見ると水面に、
もう一匹の犬が肉を
加えてみています。

思わずワンと吠えた途端、
肉を落としてしまうのです。

笑い話のようですが、

心理学的に言えば重要な機能です。

自分を知るから成長もできる

犬は自己認識をできる
だけの脳を持たないのですが、

チンパンジーくらいになると

鏡を見せると笑いかけるそうで、
自我認識をすると言います。

そして自我の認識があるから、

人間は成長をすることができます。

これがなければ他の動物と
同じく生存のために生きるだけです。

しかし、自分を客観視するから
自分を変えたり、成長させたり、
意識が生まれてくるわけです。

いずれにせよ幼児に
鏡を見せる事は、

自己認識のステップ
として非常に重要です。

そしてこの頃の子供は、

同じ歳の子供と遊びたい
という欲求が高まります。

幼稚園に入れるのは
まだ早いので、

お母さんの友達同士や
ご近所でグループを作り、

互いに子供つれて
訪問し合うのも良いでしょう。

子供は初めのうち、

他の子を警戒して、
お母さんのひざから
離れようとしません。

そのお家を訪問した時は、

まったく新しい環境なので、

特にそう言う傾向があります。

自我の発達と人間関係の発達

しかしそのうち、

よその子が、面白そうな
オモチャを持って遊んでいるのを
見た時など、

おずおずと行って、取ろうとします。

オモチャの奪い合いが始まって、

大騒ぎになり、叩き合ったりして
ケンカにもなりますが、

放っておく事です。

社会性を徐々に学んでいくのです。

今まで接してくれた両親の場合は、

欲しいオモチャはすぐ取ってくれるし、

自分の手からオモチャを
奪われる経験はありませんでしたが、

仲間の幼児は違います。

このケンカから、

自分と他人の関係を
だんだん学習していくのです。

これも自我の発達や自己認識
ステップとして重要です。

最近は一人っ子
増えてきましたが、

兄妹のいない子には、

特にこのような機会が必要です。

お母さんの方も、
子供たちが一緒に遊べるよう、

ときには口を出して、
指導するように心がけてください。

ただ、ママ同士が競争心を起こして、

成長比べなど始めないよう
注意をしてくださいね。

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