アメリカ、ヨーロッパと日本の格差社会の問題の特徴と違い


今回のテーマは、

アメリカ、ヨーロッパと日本の
格差社会の問題の特徴と違い

について紹介します。

私たち人類の社会は、

もともとは今日のような
1%と99%の格差社会
ではありませんでした。

太古の狩猟採集社会では、

一部の個人や特定の
集団が富を独占してしまうような
事はなかったのです。

なぜなら、この時代、

人類は何人か、あるいは
何十人かの小さなグループで
行動していましたが、

食料を狩猟と採集で得ていたので、

それを蓄える事が
ほとんど出来なかったからです。

つまり、いつも
飢えている状態で

食料が手に入ったときは、

グループの構成員で
分かち合う事が多かった訳です。

このような狩猟採集社会は
約5000年前まで
続いていたと言いますから、

人類誕生から考えて、

持つ者との持たざる者の
差が生まれる現在の格差社会は、

人類社会本来の姿ではない
という見方も出来ます。

スポンサーリンク

欧米と日本の格差社会の問題の特徴と違い

そして資本主義という
特殊なシステムが誕生し、

さらに情報化、グローバル化
という現象が起こるようになり、

さらに格差は広がるように
なってきたわけです。

ほんの数年前、日本では格差社会
と言えば対岸の火事のようなものでした。

欧米は歴史的に長い間、

格差社会だと
言われて続けていましたし、

また、東南アジアなどを旅してみると、

貧困層と富裕層の差は激しい事が
街の雰囲気からも感じてきます。

日本ほど中流階級層が厚い国は
なかったわけです。

最近、イギリスのシンクタンク

「イコーリティ・トラスト」

が発表したレポート

『イギリスの不平等の
コストは年間390億ポンド』

(Inequality Costs UK£39
Billion per Year, 14 March 2014)

によると、

イギリスでは、トップの
スーパーリッチ層100人の
資産の総計が、

最下層1800万人
(イギリスの人口約30%)

の資産の総計と同じ
額になると言います。

これは凄い格差の特徴です。

まさに、世界の富裕層が集まる
国ならではの格差と言えますが、

これはアメリカでも
そう変わりません。

このように格差が開きすぎたために、

イギリスでは、年間390億ポンド
(約6兆6000億円)

もの社会的な負担が
生じていると言われています。

この額は、例えば、

健康寿命の短縮化、
メンタルヘルスの悪化、
犯罪率の上昇などによる

損失を金銭に換算したものです。

こうして見ると
ヨーロッパやアメリカは

日本以上に格差社会の
問題があるように見えます。

日本の格差社会の問題の特徴

こうしたイギリスや
アメリカの社会と比べたら、

私たち日本のの社会は
どうでしょうか?

日本は「格差の小さい社会」
だと言われています。

日本では、イギリスや
アメリカのような

スーパーリッチ層は少なく、

最下層の人々も生活保護などで
手厚く保護されているからです。

ただし、最近はその
格差が開いてきたので、

それを問題にする声が
強くなっています。

最近の日本は二極化が進行している
のはご存知だと思います。

つまり、
お金持ちはもっと金持ちになり、
貧乏人はさらに貧乏になると言う事で、

中流階級層が激減していくと
言われています。

しかし実は既に、

日本は『世界で一番冷たい』
格差社会という見方もあります。

アメリカ、ヨーロッパに比べて

実は日本の格差社会の問題は
大きいと言うのです。

この見方をしているのが、

ハーバード大学政治学部の
マルガリータ・エステベス・アベ准教授で、

彼女はジャーナリスト矢部武さんの
ダイヤモンド誌のインタビューに

以下のように答えています。

アメリカの格差社会の特徴

『アメリカは確かに
国家の福祉機能が小さく、

利潤追求と競争
市場原理を重視しているが、

それが全てという訳ではない。

市場原理にまったく従わない
民間非営利セクターが大きな力を持ち、

福祉機能、すなわち社会を
維持する役割を担っている。

貧困者や市場で失敗した人たちの
救済活動はその分かりやすい例だろう。

非営利団体はホームレスの
シェルター(無料宿泊所)を
運営したり、

食事や古着を提供したりしている。

ハーバード大学の学生も
忙しい勉強の合間に

ボランティアで恵まれない子供に
勉強を教えたり、

或はシリコンバレーで成功した人が

社会貢献活動をするのが
ブームになったりしている。

このようにアメリカには、

政治に対する意識とは別に
社会に何を還元できるのかを
考える人が多いのである』

つまり、

確かにアメリカは格差は大きいですが、

それを埋めるための政府に頼らない
機能が多く存在すると言えます。

一方日本はどうでしょう。

日本の格差社会の特徴

日本社会は「お金が無い…」
と言いながらも、

まだ現在は恵まれた環境にいるでしょう。

住む家もあり、食べるには困らず、
携帯電話やパソコンを持ち、

車を持っている人も多いです。

「家計が苦しい…将来が不安…」

と言いながらも、なんとか普通に
暮らせるのが今の日本の現状でしょう。

しかし、そんな安心できる時代も
いつ終わりが訪れるか分かりません。

そのとき私たちはうまく
対応できるでしょうか?

先ほどのインタビューは、

言い方を変えれば日本はまだ
格差社会に慣れていない未熟な
社会システムだと言う事です。

欧米は格差社会の歴史が長く、

何だかんだ言いながら
持つ者も持たざる者も
その対応に順応しています。

しかし、伝統的に格差の
少なかった日本がいきなり

二極化社会に進んでしまえば、

政府も市民もその対応ができず
混乱してしまうでしょう。

そう言う意味では日本と欧米の
格差社会はまるで違うものです。

先ほどのインタビューは
さらにこう続きます。

『日本はアメリカと似て
国家の福祉機能が小さく、

また、「自助努力が大切だ」
と考える人が多い。

しかし、企業や社会にはじき
出された人を守るシステムが弱く、

家族に頼らなければならない。

意外に聞こえるだろうが、

生活保護の受給条件は実は
日本の方が厳しい。

アメリカでは個人に
受給資格があればよいが、

日本では家族の所得も
事実上調査される。

大学教授だった私の知人は裕福だが、
息子は生活保護を受けている。

日本だったら、まず
あり得ない話しだろう。

日本の役所は生活保護の
申請書をくれなかったりするが、

他に助けてくれる所がないから行政に
行っているのになかなか助けてくれない。

ちなみに、アメリカ型の市場原理に
対する批判はヨーロッパでもある。

ただ、欧州先進国の多くは
国家の福祉機能が大きく、

「市場で失敗するのは
個人だけの責任ではないので、

国家が助けるのは当然だ」

と考える人が多い。

こうしてアメリカと
ヨーロッパ、日本を比べてみると、

日本が一番冷たい社会のように思える』

(ダイヤモンド・オンライン
2008年6月30日)

つまり、格差はそれほど
開かなくても

それを埋める機能がなく、
実は問題が多発しているという事です。

富を還元しにくい日本社会

こうしたアメリカ、ヨーロッパと
日本の格差社会の特徴と違いを見て、

あなたの感覚ではどうでしょうか?

色々な意見があると思いますが、

私自身はこれまで色々とリサーチし
取材してきた感覚から言えば、

たとえ格差が開いたとしても、

アメリカの方が暮らしやすい
社会ではないかと思っています。

個人主義とは言え、

実際には弱者に対しての社会の
配慮が日本人の方が冷たいと
思っているからです。

それに、アメリカ人は
日本人より楽観的です。

日本では、お金持ちの人々が
ボランティアや寄付行為をする
ことはほとんどなく、

彼らは社会的に目立たない
ように暮らしています。

弱者救済は富裕層の意義という
思想はありません。

むしろ日本ではお金持ちは目立つと、

庶民の嫉妬を浴び、
社会的にも叩かれるからです。

だから、彼らは99%の
人のためにお金を使おうとしません。

社会から得た富を社会に
還元してこそ、

1%になった意味があるのですが、

それを快く出来ないのが
日本ではないでしょうか?

そう言う意味では福祉政策など
政治家の力が重要になってきますが、

それにも期待はできません。

格差社会で一番厳しくなるのが
もしかしたら日本社会ではないか。。

これから日本も更なる
格差社会が広がった時、

問題も大きくなるのかもしれません。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

こちらの記事もおススメ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>