お金持ち、富裕層とプライベートバンク、オフショア、出国税


今回のテーマは、

お金持ち、富裕層とプライベート
バンク、オフショア、出国税

について紹介します。

前回、お金持ちの税金対策と
その対策としての

各国の税務調査の
話しを紹介しましたが、

日本では少しずつ都会では
銀行による富裕層向けサービスも
増えてきましたが、

以前は貧乏人もお金持ちも
一律のサービスを受けるのが当然でした。

ところが海外の銀行では、

富裕層向けと一般向けは
分かれているのが普通です。

中でもトップクラスの資産家は
タックスヘイブンやプライベートバンクなど
特殊なスキームを使うわけですが、

グローバルに自由に人もモノもお金も
流通する世の中になったわけで、

世界中の政府の思惑が
ぶつかり合っているようです。

アメリカは、

9.11テロ以降、
テロ資金の温床となる

マネーロンダリングへの
監視を強めてきました。

その対策の一つとして、

アメリカ人が海外に持つ銀行口座
情報を開示させる法律を強化させ、

それを2013年1月1日
から発効させています。

その法律の名前は

「外国口座税法遵守法」
(FATCA:通称ファトカ)

この法律に基づいて、

内国歳入庁
(IRS:アメリカの国税庁)は

海外の金融機関にある
アメリカ人の口座情報の開示
を要求できます。

もしこれに応じないと、

金融機関は30%に
追徴税を課されます。

そのため、

世界の金融機関は恐れをなして、

アメリカの要求に
従うようになっています。

お金持ち、富裕層とプライベートバンク

マネーロンダリング(資金洗浄)
というのは、

テロ組織やマフィアなどが
非合法な裏のお金を表に出せるように
洗浄(laundry)する仕組みを指します。

それを規制する為の法律な訳で、

もちろん犯罪やテロ防止は
大切な事ですが、

結果的にお金持ち、富裕層の
税金逃れ対策にもなっています。

やましい事はなくしっかりとした
ビジネスで稼いだお金であっても、

税金で多くとられるのであれば、
それを回避しようとする動きが
現れるのも当然です。

しかしそれでは税収が減るわけですから、

政治家としてはこうした
動きもチェックしなければ行けません。

伝統的にスイスという国家は、
永世中立国家としてお金持ちの資産を
守る事を国是としてきました。

FATCAが強化される以前、

スイスのプライベートバンク
大手のUBSは、

アメリカ政府の要求に
抵抗しました。

スイス政府もこれを後押ししたのですが、

アメリカは世界覇権を持つ国家です。

時代の流れからすれば
抵抗しても無駄のようです。

スイス政府は、

2013年10月に、

ついに

「税務行政執行共助条約」

に署名する事になりました。

つまり、ここで長年
続いてきたスイスの

プライベートバンクは
事実上崩壊したのです。

『ゴルゴ13』の主人公
デューク東郷は

スイスに秘密口座を持って、

そこに報酬を振り込ませていましたが、

この手はもう通用しないと言って
いいでしょう。

お金持ちの特権であった
プライベートバンクの意義は
少しずつ薄れているのです。

プライベートバンクの歴史とこれから

プライベートバンクというのは、

元々18世紀にスイスの傭兵や
貿易商が海外で稼ぎ出した
お金を管理する事から始まりました。

そして戦争があれば兵士を引き連れ
戦地に赴くわけですが、

その留守中にご主人の変わりに
金銭管理や家族の世話などを
取り仕切ったのが執事(バトラー)です。

ご主人の代理人として
全てを取り仕切っていたのです。

それがやがて時代を経て
プライベートバンカーへと
変貌を遂げて行きます。

この時代はまだ金融資産の
管理運用だけではなく、

ファミリーオフィスのように
家族の教育や留学の世話、
旅行の手配なども手掛けていましたが、

やがて金融サービスのみを
扱うようになります。

中でも特筆すべきなのが
匿名性や守秘性の高さでした。

ゴルゴ13は暗証番号のみで
入出金のやり取りをしていましたが、

これはお金持ちにとっては
非常に有利な特徴です。

つまり富裕層のニーズに対応する
銀行な訳です。

お金持ち、富裕層とオフショア

一方でオフショアやタックスヘイブンは、

資源や産業のない小さな国や島が

税金を低くして(或はゼロにして)

世界中の富裕層から
資金を誘致し管理運用する事で、

国民の生活を成り立たせています。

こうした富裕層の使うやり方は
以前はアンタッチャブルな存在でした。

それがファトカにより
ようやく規制が入ったわけです。

では、

スイスなどのプライベートバンク
にあった富裕層のお金は

どこに行ったのでしょうか?

とりあえずは、

シンガポールや香港、

あるいはまだ、

「税務行政執行共助条約」

に参加していない
オフショアに向かいました。

しかし、ケイマン、アンギラ、
バミューダ、英領ヴァージン諸島(BVI)、
モントセラトなどが、

条約の署名に合意を表明、

欧州でも、スイスと並ぶ
プライベートバンクの
本場ルクセンブルグが、

2015年までに
個人の銀行情報の守秘制度を
解除する事を宣言させられました。

オフショア対策も進んでいる

さらに、シンガポールや
香港もこれに続く事になり、

2016年にはパナマ文章で

世界の企業や個人による
タックスヘイブン利用者の情報が
流出する事件がありましたが、

オフショアが資産の秘密の隠し場所で
無くなる日が迫っている、

というのが現状です。

とはいえ、

オフショアは、

まだまだ税務上の
大きなメリットがあります。

世界には表のお金と
裏のお金があります。

アメリカを中心とする
各国の監視の強化で、

裏のお金の流入は減っても、

表のお金の流入が
減るとは思えません。

オフショアが無くなって困るのは、

実は世界の富を動かしている
富裕層、支配層だからです。

さらにお金持ちは頭をしぼって
資産の防衛に努めるはずです。

お金持ち、富裕層と出国税

FATCA発効の背景には、

前回紹介したように、

富裕層がどんどん国を
出て行ってしまうと言う
現実があります。

ただし、アメリカには、

日本にはない

「出国税(国籍離脱税)」

という税金があります。

これは、アメリカ人が
市民権を放棄した場合、

その資産額に応じて課す
という税金で、

「国を出て行くなら、
それなりの資産を置いて行け」

というものです。

例えば、

フェイスブックの創業者の一人
エドゥアルド・サリベンさんが、

フェイスブックのIPO前に
米国籍を放棄し、

シンガポールに移住したのは
有名です。

彼がなぜこんな事を
したかと言うと、

出国税が低かったためです。

そこで、アメリカ当局は
このハードルを一気に上げました。

つまり、現在のアメリカでは

国を出るときは
多額の税金を税務署に
納めなければなりません。

各国のお金持ち対策の傾向

ところが、
驚くべき事に、

中国には出国税がありません。

しかも、海外での所得は、
自己申告制になっています。

そのため中国では、

お金持ちになると、
どんどん国を出て行くのです。

日本の場合は、

所得が生じた場所の
内外を問わず、

所得税は納める義務があります。

ただし、非居住者になれば、
海外所得には課税されません。

また、日本国籍を持っていても、

「相続人」「被相続人」

の両方が5年以上継続して
日本を離れて非居住者になると、

海外財産に日本の
相続税は課税されません。

いずれにせよ、
お金持ちになると、

こうした国際間の
税制のギャップを利用して

資産を運用する事が
当たり前になります。

そうしていない富裕層もいますが、
やはり少数派です。

ただし、資産が10億ドルを
超えるスーパーリッチとなると、

こういうことはどうでもよくなり、

国籍のある国家に
多額の納税をし、

さらに慈善団体にも
寄付をするようになります。

お金持ち、富裕層とプライベートバンク、
オフショア、出国税は

切っても切れない
関係にありますが、

プライベートバンクにお金を預ければ
資産は固く守られて、

秘密の投資情報が入ってくる…

というのは幻想ですが、

ただお金の管理以外に
例えばタックスヘイブンのカリブ海では、

資産家が集まるパーティーなどが
行われるわけです。

そこでやり取りする情報交換や
人脈のつながりというのは、

目には見えない資産に
なっているはずですし、

いくら規制が入ろうが、

やはりそこには大きな
影響力が存在するのです。

もちろん、、

一般層である我々はまず
税金で頭を悩ませる前に稼ぐ事に
集中せねばならないわけですが…

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