自己呈示の5つの分類、種類と意味、自己プレゼンの心理学


心理学を学ぶ上で
やはり気になってくるのは、

「自分」のことと「他人」のこと、

この視点の違いに気づくと、
思いがけない発見があったりします。

そしてこの視点に気づく事が
スピーチやプレゼンはもちろん、

コミュニケーション全般のスキルを
大きく改善する事に繋がるのです。

ちなみに、

あなたは自分自身の事を、

どのような人間だと思っていますか?

もちろん色々なパターンの
回答があるでしょう。

「誰とでも上手くやっていく
ことができるが、

あまり自分に自信が持てない」

「決断力はあるが、

他人の気持ちの機微に気づく
事があまり得意ではない」

など、

望ましい性質から、あまり
望ましいとは言えない性質まで、

自分が好きでたまらない人から
自分が嫌いでたまらない人まで、

様々な答え方があると思います。

ただ、

これはあくまで自分が自分を
評価する自己分析です。

自分は他人からどう見られてるか?

ここで少し質問を変えます。

それではあなたは、

自分自身がどのような人間である
と、他人に思ってもらいたいですか?

この問いに対する答えは、

あなたが自分自身の事を実際には
どのような人間だと思っているかとは、
少し違うかもしれません。

これは他人から見た自分像です。

この答えになると、

先ほどのような、

「自分にあまり自信が持てない」

と考えている人でも、

就職面接などの状況では、

自信に満ち溢れた態度を
とる事もあるでしょうし、

「自分はあまり人と
関わる事が得意ではない」

と考えている人であっても、

パーティーの席などでは、努力して
社交的に振る舞う事もあるでしょう。

このように、

他人からの印象を操作し、
自分にとって望ましい印象を
持ってもらおうとする行為の事を

心理学の世界では
「自己呈示」と呼びます。

自己呈示は、

Self-presentation

の意味の邦訳です。

自己プレゼンと言っても良いでしょう。

つまり私たちはこの言葉通り、

日々、

「自己」(つまり他人から見た自分自身)
を「プレゼン」しているのです。

これは意識しなくても自然に
無意識に私たちがやる事なのです。

自己呈示の5つの分類


コミュニケーションスキルを高める上で、

スピーチやプレゼンテーション、
セールスのテクニックを学ぶにあたり、

この心理学を押さえておく必要があります。

よく「表の顔や裏の顔」など言いますが、

私たちは普通、自分の中に
複数の人格を持っていて、

まるで多重人格のようにそれを
使い分けているわけです。

自分がどのような人間であると
他人に思ってもらいたいかは、

状況によって大きく異なります。

また、

他人に自分の望む通りの自己を見せるために、
状況に応じて様々な方略が必要となります。

自己呈示の方略は5つの分類できます。

1.「取り入り」
2.「示範」
3.「自己宣伝」
4.「威嚇」
5.「哀惜」

の5つです。

ここで、

Aさんという大学生を想像してください。

21歳の男性であるAさんは、

大学の心理学部に所属し
週に何回かはテニスサークルの
活動をしています。

基本的に真面目である程度
優秀な学生とします。

そんなAさんは日々関わる人たちに対し、

その状況事に相応しい自己プレゼンを、
周りの人に対して示そうとします。

大学やサークル活動中のAさんは、

自分が他の学生やサークルのメンバーと、

上手くつき合う事が出来る人間
である事を示そうとします。

このように、

他人からの好意を得るための自己呈示は

「取り入り」と呼ばれる分類です。

基本的に同レベルの友人との間で
見られる自己呈示です。

その他の自己プレゼンの種類は
以下のようなものです。

どれが本当の自分なのか?

サークル仲間との間では、

多少酒に酔って羽目を外す事もある
愉快なAさんですが、

家庭教師先の家庭では、

自分は生徒の模範になるような人間である

という事を示す必要があります。

そのためAさんは生徒の前では、

きちんとしたスーツを着て、
真面目に振る舞います。

このように、

自分を「立派な人間だ」と
思ってもらうための自己呈示は、

「示範」と呼ばれる分類です。

基本的に後輩やお客さんなどに
アピールする姿勢です。

次に3つ目のパターンは、

就職のため、ある企業に
面接を受けに行ったAさんは、

自分の事を知的で有能な人間である

と印象づけるために、話し方や
話す内容により気を配りました。

ここでもいつもとは違う自分を
アピールしようとしています。

このように自分の長所を
アピールするための自己呈示が

「自己宣伝」と呼ばれる種類です。

先輩や上司などある程度認められたい
相手に使う自己プレゼンです。

そんなある日、

いつものようにサークル仲間との
飲み会に出掛けたAさんですが、

その帰り道に酔っぱらいに
絡まれてしまいました。

内心少しビクビクしてはいますが、

ここで怯えたような態度をとると
相手はつけあがります。

そこでAさんは、

相手の目を見て強い語調で追い払いました。

このような相手を威圧する自己呈示が

「威嚇」と呼ばれる種類です。

これは他人や見ず知らずの
人に対する自己呈示です。

また別の日Aさんは寝坊したために
大事な授業を欠席してしまいました。

単位を取るには、誰か別の友達に、
ノートを写させてもらう必要があります。

しかしAさんはここで、

最近アルバイトのため連日徹夜な事、

体調が最近優れない事などを話し、

疲れたような態度を見せながら
友達の同情を引き出し、

ノートのコピーをねだりました。

このような相手の同情を得るための
自己呈示の分類が「哀惜」です。

そうです。

状況によって態度は違いますが、
どのAさんもAさんなのです。

我々は誰しもが多重人格である


もちろん細かく分類すれば他にも
たくさんの人格があるわけですが、

こうした使い分けをすることは
誰もが自覚があるのではないでしょうか。

以上のように、

自己呈示というのは、

その場その場で相応しいと
思われる自分の姿を相手に見せ、

相手から自分の望む反応を
引き出そうとする、

つまり相手をコントロールするための
方略という心理的意味があります。

社会的動物の人間が生まれつき持つ
心理戦略と言えるかもしれません。

ジギルやハイドなど多重人格を扱う
ドラマや映画、漫画などがあり、

フィクションの世界として
楽しむ人もいるでしょうが、

人は誰しもがある意味
複数の人格を内面に抱えるものです。

Aさんの例でも分かるように、

どのような自己呈示が
最も効果的であるかは、

状況によって大きく異なります。

また自分がどのような
自己呈示をしがちであるのかは、

その人との特性や文化などに
よっても異なってきます。

つまり私たちは、

その場の状況や、自分の文化や
社会に相応しいと思える自己像、
セルフイメージ

周りの人に自己プレゼンしながら
生活しているのです。

このような自己呈示は、

成功すれば相手から望む
通りの反応が得られますが、

あまり遣り過ぎたり、
失敗してしまった場合、

相手からの評価をより
低くしてしまいます。

また、

本来の自分とはあまりに違う自分を
演じる事は大きなストレスになります。

コミュニケーション力を高めるために、

まず今回紹介した自己呈示の
5つの分類、種類と意味を知り、

自分の本来の能力や、相手の状況など、

様々な要因を考慮しつつバランスを
取る事が非常に重要なのです。

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