宝くじを個人、集団で買う、協力とグループの心理学と文化背景

宝くじを個人、集団で買う、協力とグループの心理学と文化背景
今回のテーマは、

宝くじを個人、集団で買う、
協力とグループの心理学と文化背景

について紹介します。

もちろん、人間関係で
協力し合うことで

大きな力が生まれるのも事実です。

しかし、「協力」という名の
甘い響きに惑わされ、

ここに大きなバイアスが
かかることがあるのです。

前回、

赤信号みんなで渡れば怖くない

と信じてしまう心理傾向が
あると紹介しましたが、

これは、

同じリスクにさらされている
人が多ければ、

自分が被害を受ける可能性を
低く見積もる、

というものでした。

それでは、

皆でやれば良い事の起こる
可能性は高まるのでしょうか?

昔から、

三人寄れば文殊の知恵

とか、

毛利元就の「三本の矢」
の逸話など、

一人で出来ない事でも
みんなで協力すれば

上手く成し遂げられる、

という事が強調されてきました。

しかしそうではありません。

むしろ逆にリスクが増えることもあります。

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人数が多い方が得をする?損する?

それでは、こんな例を考えて
見ましょう。

よくテレビ番組などでも、

多くの芸能人からお金を集め
宝くじを買って当たるか検証する、

というような番組があります。

確かになんとなくたくさん買えば
当たる確率が高まる気もします。

宝くじも皆で買えば
よく当たるのでしょうか。

実際、職場の仲良しグループ
などで、個人でなく集団

一緒に宝くじを買っている人
たちもいるようです。

確かに、多くの人がお金を
出し合って宝くじを買えば、

たくさん買った宝くじに
当たり券が含まれている
可能性は高まるのでしょう。

非常に多くの人が協力して、

宝くじを買い占めれば、

必ずその中に当たり券は
入っているはずです。

しかし当然の事ながら、

一人当たりの配分金は、

一人で買った千円分の
宝くじが当たった場合よりも、

ずっと少なくなるでしょう。

つまり、たくさんの人で
宝くじを買っても、

例えば、

千円当たりの出資に対して
戻ってくる金額は変わらないはずです。

従って、

一人で一万円分の宝くじを買っても、

10人の仲間で一人が千円ずつ
の宝くじを買っても、

当たる可能性は変わらないはずです。

それでも

1人の時よりも、
10人の時の方が

「何となく」当たり
そうな気がする心理が

ここでの疑問点です。

宝くじを個人、集団で買う心理学

この疑問に応える、
ある実験があります。

この心理学実験では、

被験者に4本のくじを
ひいてもらい、

それぞれのくじに書いてある
数字の合計が一定以上であれば、

苦痛のない条件に割り振られるが、

そうではない場合には、

苦い飲み物を飲んでもらう
条件に割り振られる、

という設定です。

もちろん、実際には
苦痛を感じるような苦い飲み物は
飲んでもらう事はありませんが、

被験者は、くじの結果次第で

実際に苦い飲み物を
飲まなくてはならなくなる、

と信じていました。

実験には、

個人条件と集団条件があり、

個人条件に割り振られた
被験者たちは、

自分一人で4本のくじを
引く事になる、

と言われました。

一方、集団条件に
割り振られた被験者たちは、

自分の他に三人の
学生が別室にいて、

合計4人の参加者が
一本一本ずつくじを引き、

合計4本のくじに書かれている
数字の合計によって、

四人揃って苦い飲み物を
飲む事になる、

と信じ込まされていました。

つまり、個人条件では
一人で4本のくじを引き、

集団条件では4人が
1人1本のくじを引く事になる、

と信じ込まされていたのです。

いわば、一人で
宝くじを4枚買うか、

4人が一人一枚ずつ
買うかだけの違いです。

このような状況で、

個人と集団グループで
どちらが良い結果が出るでしょうか?

合理的に考えれば、

くじの結果に影響を
与える事は出来ないのですから、

誰がくじを引いても、
結果に影響はしません。

したがって、

どちらの条件でも結果に
違いはない、

というのが合理的な判断です。

しかしながら、

被験者たちは、

集団条件の場合の方が、
個人条件よりも

良い結果が出ると考えていました。

つまり、自分たちが苦い飲み物を
飲まなくては行けなくなる可能性は

集団条件で低くなる、
と考えたのです。

つまり個人とグループでは
私たちは考え方も行動も全てが
変わってしまうわけです。

宝くじをに見る協力とグループの心理学と文化背景

もちろん、仲間同士で宝くじを
買って外れるくらいなら、

そこに亀裂も入らないでしょうが、

例えば、

詐欺的なファンドを勧められ、

多くの仲間が入っていると喧伝され、
騙されるケースもあるわけです。

以前、三人寄れば文殊の知恵
という言葉が当てはまらない
ケースについて紹介しましたが、

何でもかんでも協力すれば
うまくいくという考え方を持つのは
実は危険なことなのです。

さてこのように、

集団の方が有利だと
考えてしまうバイアスは、

どの文化にも見られるものでしょうか?

先と全く同じ条件で、

アメリカ人を対象とした
実験を行うと、

アメリカ人はどのように
考えるでしょうか、

ご存知のように、
アメリカの文化では、

集団主義より個人主義と言われ、

協力しあいグループの
和を重んじるというよりも、

個人が自立し自分の判断に基づいて
行動する事が推奨されています。

このような文化では、

他人に頼らず、

自分の力を信じて
行動する必要があります。

そうすると、

日本とは逆に、

他人よりも自分がやった方が
うまくいく、

という信念を持っている
可能性があります。

特に、アメリカ人の男性では
このような傾向が強い事が
予想されます。

そして結果は、

やはり、

日本の男女、アメリカの男女のうち

アメリカの男性だけは、

集団でくじを引くよりも
一人でやった方が望ましい
結果が得られる、

と考える傾向にありました。

このように、

個人で行動するのと
集団で行動するのとでは

どちらがうまく行くと考えるか、

という単純な事も、文化的背景
の影響を受けているのです。

アメリカ人の男性であれば、

宝くじでも自分で
買った方が当たりやすいのだから、

友人と一緒に買う理由はない
と考えるでしょう。

ちなみに、

アメリカの宝くじは、
自分で番号を選ぶものが主流で、

日本のようにあらかじめ
番号が印刷されているものは
ほとんどありません。

これも自分で何でも
コントロールしたいと言う
文化の現れなのかもしれません。

自分で番号を選んでも
決められた番号を与えられても、

当選確率は何も変わりません。

この辺りにも人間の
不思議な心理が垣間見られます。

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