赤信号みんなで渡れば怖くない、他人と同じで安心する心理学


今回のテーマは、

赤信号みんなで渡れば怖くない、
他人と同じで安心する心理学

について紹介します。

人間心理は時に不合理な
状況を巻き起こしたりします。

何年か前に、

「赤信号みんなで渡れば怖くない」

というキャッチフレーズ
はやったのですが、

あなたはこの言葉に
何を感じるでしょうか?

確かに、

大人数で赤信号を渡っていれば、

車の運転者も注意するし、

仮に車が来ても、

他人にぶつかって自分に
ぶつからないかもしれません。

しかしやはり危険なことに
変わりはありません。

そういう意味でうまく
物事を言い現している
皮肉のような言葉かもしれません。

一般的に、

何をするにも、

多くの人がいればうまく行く
可能性が高いと思われています。

例えば、

三人寄れば文殊の知恵

というように、

一人で上手い解決法を
思いつかない場合でも、

他人と一緒に考えれば

上手い知恵が浮かんでくる事が
多いでしょう。

しかし多くの人がいるからと言って

安心なわけでも、
うまく行く訳でもありません。

逆に増えるリスクもあります。

しかしなぜか周りに人が
多い方が安心するののです。

なぜ私たちは、

人数に関わらず危険性は
変わらないような状況でも、

人数が多いときより
安全だと考えてしまうのでしょうか。

その心理学的な
メカニズムを考えて見ましょう。

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他人と同じで安心する心理学

例えば、以下のような
例を考えてみてください。

「あなたの飲んでいる水道水に
発がん物質を含まれている事が
わかりました。 

この水を5年以上飲んでいると、
ガンになってしまう可能性があります。

だいたい100万人がこの水を
飲んでいた事が分かっています」

このような状況であなたが
ガンになってしまう可能性は、

どのくらいあるのでしょうか。

自分に当てはめて考えて見てください。

また、その可能性は、
以下の場合と同じでしょうか、

それとも違うでしょうか

「あなたの飲んでいる水道水に
発がん物質を含まれている事が
わかりました。 

この水を5年以上飲んでいると、
ガンになってしまう可能性があります。

この発がん性物質はあなたが
一人で住んでいるマンションの部屋の

水道管から溶け出している
事が分かりました。

そのため、この発がん性物質を
含む水道水を飲んでいたのは
あなた一人です」

この状況では、

発がん性物質を摂取
していたのはあなた一人です。

なんとなく、こちらの方が
怖いような気がしませんか。

どちらも嫌な気分がするでしょうが、

大勢の被害者がいる場合より、

自分一人が被害者の方が、
ショックを受けるでしょう。

みんなと同じで安心する心理実験

こうした状況で、

「よかった被害者は私だけで、

全体から見れば被害は一部、
その他大勢に悪影響がなくてよかった。」

などとは思えないのです。

このように、

一人だけ危険に
さらされている状況と、

多人数が同じ危険に
さらされている状況、

さらにそれらの
中間の状況とを記述し、

読んでもらうという
心理学実験を行いました。

そして実験対象者には、

自分がそのような状況にいたら、

ガンになってしまう可能性を
想像して書いてもらいました。

結果、一人で発がん性物質を
含み水道水を飲んでいた状況では、

約60%の人が
ガンになってしまう

と解答しましたが、

10万人が飲んでいたと言う
状況では、

50%弱の人がガンになる
と解答しました。

厳密に計算すればどちらも
ガンになるリスクの確率は同じです。

しかし、心理バイアスがかかるのです。

この実験では、

発がん性物質だけではなく、

事故、病気、投資でも

自分と同じリスクに
さらされている人が多いほど、

自分は安全だと考えてしまう。

つまり、

赤信号みんなで渡れば怖くない、
他人と同じで安心する心理傾向が
明らかにされたのです。

赤信号でみんなが渡っていても、
一人で青信号を待つのが、

本当は理想的なやり方ですが、

そうとは考えられないのが
人間心理の特徴なのです。

人数の多い事のリスクと安全の心理

こうした心理メカニズムについて、

さらに悪天候の中を飛んでいる
旅客機を想像してみてください。

この飛行機に何人の
乗客が乗っていても

(定員超過をしていない限り)

無事に目的地に着けるかどうかは、
影響を受けないはずです。

それにもかかわらず、

一人でその旅客機に乗っている場合と、
多人数で乗っている場合とを比べると、

多人数で乗っている場合の方が、
何となく安全に感じてしまうようです。

また、治療法が確立されていない、

病気にしても原因不明の
病に自分一人がかかっている場合と、

他にも多くの人が
かかっている場合とでは、

治る可能性の割合に
違いはないのに、

前者の方が絶望的な
気持ちになると考えられます。

さらに、自分が投資している
会社の経営が傾いたとき、

自分一人が投資している時と、

多人数が投資している時では、

多人数の人たちに経営に影響を
与える事が出来ない場合でも、

何となく多人数で投資している
場合の方が、

投資先の会社は倒産
しないで済むのではないか、

と考えがちであると思われます。

このように、

同じリスクにさらされている
人が多いほど、

自分は安全だと思ってしまう

他人と同じで安心する気持ちが
私たちの心理にはあるようです。

赤信号みんなで渡れば怖くないの文化的違い

こうした心理をしっかりと知れば、

おそらく未然に防げる
事故などは減らせるでしょう。

しかしどうしても
バイアスがかかってしまうのが、

私たちの脳の仕組みの
不思議なところなのです。

ところで、

このような傾向は、

赤信号みんなで渡れば怖くない、

と言っている日本人に
限定されるものでしょうか。

先の発がん性物質の
実験と全く同じものを

香港の中国人を対象に
心理実験を行ったところ、

日本人と同様に、

より多くの人が発がん性物質
にさらされていると言う
情報を与えられると、

自分がガンになる可能性を
より低く評価しました。

さらに、アメリカ人でも
同様の事が確認されています。

ただしその現象は、

発がん性物質の場合に
限定されていて、

それ以外のリスクでははっきり
とした傾向が見られませんでした。

こうした事から、

この赤信号みんなで渡れば怖くない、

という現象は文化に
関わらず一般的ですが、

他人と同じだと安心する傾向は、

アメリカ人よりも日本人の方が強い

と言えそうです。

はっきり言えるのは、

どんなに多くの人が
タバコを吸っていても、

あなたが肺がんになる可能性は
影響を受けないという事です。

「みんな吸ってるし…」という
言い訳の常套手段は、

本来意味をなしません。

自分のために正しい判断ができるか?

それは自分にしかできないのです。

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