三人寄れば文殊の知恵の心理学実験、分業のメリット、デメリット

三人寄れば文殊の知恵の心理学実験、分業のメリット、デメリット
今回のテーマは、

三人寄れば文殊の知恵の心理学実験、
分業のメリット、デメリット

について紹介します。

三人寄れば文殊の知恵

ということわざの意味は
ご存知の事でしょう、

日本に限らず海外の国にも
似たようなことわざがあります。

例えば、

英語圏の

「二つの頭は一つより良い」

中国の

「平凡な靴職人も三名集まれば
諸葛亮に匹敵する」

などがあります。

日本でも企業を中心に

ブレインストーミングが
注目された時期があり、

みんなで多数のアイデアを
話し合い、良い物を選ぶ手法が
もてはやされた事があります。

つまりこれらの意味は、

個人よりもグループの方が
よりスムーズに問題を
解決させる事ができ、

また、個人では思いつかない
ようなアイデアが、

グループであれば
生まれやすいと言う

一種の信念や期待が
存在する事を示しています。

しかし、、

果たしてこれは本当でしょうか?

分業のメリット、デメリットから
この事について考えてみましょう。

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三人寄れば文殊の知恵の心理学実験

みんなのアイデアが集まれば、

より良い方法が思いつく
というのは、

古人の知恵の一つとして
浸透しているようです。

しかし、社会心理学においては

「三人寄れば文殊の知恵」を
裏切る結果が長年の研究で
示されているのです。

行動心理学者である
I・Dステイソンさんの
研究結果では、

ブレインストーミングは、
個人の思考に劣る

という報告がなされ、

現在ではあまり行われなく
なっています。

集団で討議する事と
個人で考えた場合、

アイデアの質も量も
個人で考えた方が優れていたのです。

思考が中断されやすい事
などがその一因と言われていますが、

特に日本人は、

意見を積極的に発言
しあうスタイルが

馴染みにくかったと言う
こともあるでしょう。

さらにステイソンらは
別の実験も行っています。

実験参加者に、

まずは一人で数学の問題に取り組み、

その後、五人で話し合って
グループとしての回答を
出してもらうという実験を行いました。

その結果は、

これもあまりグループに有利な
ものではありませんでした。

最初からグループの
誰にも解けない問題だった場合、

グループが正解を出せる
割合は数%、

一方、最初に正解を出せる人が
一人交じっていた場合でも
正解率は70%ちょっとです。

これは、

自分が多少サボっても
グループの他の人がやってくれる
だろうという、

手抜きの心理が働くため、

さらに、たとえある人が
解決を発見しても、

それが他のメンバーに
正解だと認められなければならない

という余計な手間がかかるためです。

つまり、集団で数学の
問題を解いても、

せいぜい中で一番成績の
良いメンバーぐらいしか問題を
説く事が出来ず、

人間が集まる事の
シナジー効果は期待できないのです。

集団で考える事には
デメリットしかないのでしょうか?

分業のメリット、デメリット

ところが、

この心理実験の結果に反して

社会では、様々な
問題解決を会社や組織、

チームという形態で実行し続けています。

社会で解決されるべき問題は、

実験で用いられる単純な
論理問題とは異なり、

個人単位では一筋縄
に行かないものばかりです。

そこで分業と言う
体制がとられているのです。

さらに、認知人類学者の
ハッチンスは、

分業と言っても、

メンバーが自分の持ち場だけを
担当するような完全な分業
(=縦割り)ではなく、

他のメンバーの担当範囲にも
積極的に介入する

緩やかな分業の方が
効果的である事を示しました。

つまり、やり方によって
分業はメリットにもデメリット
にもなるのです。

完全分業の場合、

個人の作業範囲が明確な分
能率的とも言えそうですが、

同時に、一つのミスすら
許されないという融通のなさも
つきまといます。

一方で、緩やか分業は、

プロジェクトの成功を
目的とするチームが

機能停止に陥らないように
する体制であると言えます。

集団での問題解決は、

致命的な事態を避ける役割を
果たすという側面を持つのです。

このような他の職務範囲にも
介入する分業体制は、

企業における研究、開発
プロジェクト場面での

異部門間協同にも見られます。

ある製品について、

完成の域に達していると言う
認識をしていた開発部門も、

消費者調査に基づく、
マーケティングチームからの
開発依頼を受けたり、

開発の専門外からの
法外とも言える要求に対して

真剣に検討したりする事により、

結果的に新たな製品開発に
成功した事例が報告されています。

分業で三人寄れば文殊の知恵を生む方法

確かに、戦争の作戦など
歴史的決定でも、

振り返ってみると、

集団極性かによる
失敗例がよく見られます。

優秀なメンバーが揃っても、
非論理的な結論に至る事があります。

個人がたとえ優秀でも
集団になると判断を間違う
というケースは良くあるのです。

つまり、

シンプルに人を集めて分業しても

メリットよりむしろ
デメリットの方が多いです。

以上のように、

ことわざ三人寄れば文殊の知恵
に象徴される私たちの信念や期待は、

完全に否定される訳ではありませんが、

協同問題解決で「文殊の知恵」を
生み出す可能性を高めるには
条件があるのです。

一つは、

議論の局所化回避です。

メンバーの知識の共有が
一様ではない場合、

議論は共有性のある
ところに局所化してしまい、

その結果、少数派の知識が
表面化しにくくなります。

つまり、偏りのない対等な
議論の場を形成する必要があります。

もう一つは、

否定的評価の対象です。

あるアイデアがあまり
良さそうにない場合には、

あくまでもアイデア自体に対して
のみ評価を下すべきであって、

そのアイデアを出した個人に
結びつけて評価するべきではありません。

個人への否定的評価は、

議論に参加しているメンバーの
動機付けを低下させるデメリット
があるのです。

個々人の視点が問題解決の
多様性を産む原動力である事を
認識する事、

集団として「三人寄れば文殊の知恵」
の分業を生み出そうとするためには、

この認識が不可欠なのです。

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