個人主義と集団主義の心理学、その背景とメリット、デメリット


今回のテーマは、

個人主義と集団主義の心理学、
その背景とメリット、デメリット

について紹介します。

以前の経済誌などでは
日米の働き方を比べ

アメリカは個人主義、
日本は集団主義、家族主義、

などと単調に分けるような
論調が多かった記憶があります。

今の世の中、

グローバル化、情報化が進み、

人はどんどん個人主義的
になっている、

とよく言われますが、

あなたはどうでしょうか。

かつては、

会社のために滅私奉公する事が
当たりまえでしたが、

だからこそ大企業に入社すれば
一生安泰という感覚を持っていました。

「会社に忠誠を誓う」

今ではそのような考え方を持つ
若者はずいぶん減っている
と言われています。

実際、終身雇用ではなく、

転職を前提とした関係を
作っている会社も増えてきました。

退職金制度を廃止して、

退職金を毎月の給与に
上積みするというのは、

こうしたいわばドライな
関係を具体化したものでしょう。

一方で、

日本人は集団主義的である、
とも未だによく言われます。

実際、これまでの日本人論では、

日本人は集団的である、
というのが決まり文句でしたし、

多くの日本人もその事を
受け入れてきました。

これまでの集団主義と
最近の個人主義化とを

心理学的な背景を元に
どのように理解したら良いでしょうか。

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個人主義と集団主義の世界的背景と特徴

あなたは「孤独」という
言葉を聞いてどんな色を
思い浮かべるでしょうか?

私は森のような緑鮮やかな
イメージが浮かぶのですが、

決して「一人、孤独」という
言葉にネガティブな印象は
ありません。

一人で黙々と何かを達成する

という感覚があります。

しかし、人によっては
大きな違いがあるでしょう。

「ひとりぼっち」という言葉に
ダークで灰色な印象を持つ
人も多いようです。

ここで個人と集団を以下に
定義して見たいと思います。

個人主義的とは、

集団の目標よりも個人の目標を
優先させることを言います。

そして、集団主義的というのは、

個人の目標よりも集団の
目標を優先させる事とします。

優先という言葉がキーワードです。

まず自分か、まず組織化という

あくまで順番なのでどちらも
メリット、デメリットがありますが、

滅私奉公と言うものの背景には
まさしくこの定義に当てはまります。

つまり、個人の利益を
考えずに組織
や社会のために尽くす、

という考え方です。

世界の個人主義ランキング

いくらグローバル化が進み
世界の距離は縮まり、

国際交流が活発になったとは言え
やはり文化的な特徴があります。

今から約30年前、

オランダの社会学者が、

世界的な大企業であるIBMの従業員
を対象にした調査結果を分析し、

国際比較を行いました。

IBMは世界中に支社を
持っているので、

53の国と地域の従業員を
対象にした調査が行えます。

それによると、

個人主義ー集団主義の次元で、

アメリカが一位となり、

オーストラリア、イギリス、
カナダ、オランダが続き、

日本は22位という結果でした。

2000年に行われた飛行機の
パイロットを対象にした別の調査でも、

似たような結果が得られています。

つまり、

日本人は昔と変わらず
集団主義的である、

という結果が出ているのです。

この結果からは、

個人主義かしていると
言われている日本人が、

集団主義的に振る舞っている、

という事になります。

これはどのように理解
したら良いのでしょうか。

個人主義と集団主義のメリット、デメリット

心理学的に言えば、

私たちが集団主義的に
振る舞う理由として、

他者と一緒にいると良いことが
起こると言う「親和欲求」と、

他者から受け入れられない
事を恐れる「拒否不安」

の二つが考えられます。

誰しも一人だけでいるのは
楽しい事ではありません。

私も孤独でいる時間は大切ですが、

ずっと孤独でいれば頭が
おかしくなるでしょう。

家族や友人がいるからこそ、
一人の時間を楽しめるのです。

ここで一見、合理的な考えと
心理学的な矛盾も起こり得ます。

例えば、

皆と一緒に食べたり、飲んだり
するのは楽しいでしょうから、

給料前で財布が軽くなっていても

皆と一緒に盛り上がる事を
楽しみにして、

一緒に飲みにいく事もあるでしょう。

また、仲間はずれに
されるのは嫌ですから、

他人に嫌われないように
参加する事もあるでしょう。

そうすると、

どうしても、少なくとも
目先の自分の利益は

犠牲にしなくては行けません。

最終的にはどちらも利益を目指す

例えば、

自分はお昼にそばを
食べたいと思っても

皆がラーメンやに行く事を望めば、

自分だけそばやに行く人は
少ないでしょう。

個人主義にとって

嫌われたくない<好きなものを食べる

集団主義にとって

好きなものを食べる<嫌われたくない

という方程式が成り立ちます。

つまりどちらの場合も

究極的には個人的な
利益を高める、

或は不利益を小さくする
というメリットを目指して、

集団主義的に振る舞っている
事になります。

要するに、

人は集団を通じて自分が
楽しんだり、利益を得る事、

或は集団から不利益を
被りたくない、という動機で、

メリット、デメリットを比較し、

少なくとも一時的にに
集団の利益を優先させて
いるのではないでしょうか。

このように考えると、

集団主義的と見える行動も、

結局は個人の利益を
最大化させる、

あるいは、不利益を
最小化するための行動と
見なす事も出来るのです。

どちらが良い、悪いはない
ということです。

心理学者の実験によれば、

こうした予想を確認するために、

大学生の集団主義的傾向とともに

親和欲求と拒否不安の
強さを測定しました。

その結果は、

予想通り、集団主義的な人は
親和欲求と拒否不安が

共に高い傾向がある、

という事が分かりました。

個人主義と集団主義の文化的背景

このように、

一見自分の利益を犠牲にした
集団主義的な傾向も、

より長期的な自分の利害
メリット、デメリットを考慮
した上での事と考えられます。

実際に、

先の心理実験の結果は、

日本だけではなく、韓国でも
アメリカでも同じものでした。

個人主義的と考えられる
アメリカ人でも

自分の利害を考えて
見かけ上集団主義的な
行動をする事もあり得る訳です。

ただし、文化的背景によって

どの程度個人の利益を犠牲にする
事が求められるかは異なるでしょう。

日本では、個人の利益を
主張する人を好まない、

という傾向が、アメリカより
強いのかもしれません。

そうすると、不本意だとしても、

どうしても、日本人の方が
アメリカ人よりも、

集団の利益を強く優先させる
振る舞いを行う必要が出てきます。

が、どちらも必ずしも損得という
ことで有利不利はなさそうです。

以上の結果は、

集団主義的と言われる日本でも、

状況が変われば個人主義的に
振る舞う事を予測します。

つまり、

個人主義的に振る舞った方が
個人にメリットがある、

或は個人主義的に振る舞う事
によるデメリットが少ない、

という状況におかれると

より個人主義的に振る舞う
ことになると考えられます。

退職金を含んだ給料を
毎月受け取り、

成果主義で年俸が決まる会社では、

社員たちはより個人主義的に
振る舞うのではないでしょうか。

システムによって人の心
も変わるということです。

こうした背景によって態度が変わる
というのが心理学的な見解です。

さてこうした前提を
あなたならどうしますか?

自分の働き方や生活など
見つめ直してみると、

意外な動機が見つかるかもしれません。

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