命令に従う、服従の心理学、アイヒマン実験の意味と特徴


今回のテーマは、

命令に従う、服従の心理学、
アイヒマン実験の意味と特徴

について紹介します。

自由で平等で公平な世界…

というのはあくまで理想で、

もちろん世界も少しずつ
良い方向に向かっているでしょうが、

やはり理不尽なことは多いです。

そしてそのベースになるのは
やはり人間心理です。

誰かに一言命令されただけで、
民族浄化を行ってしまう。。

そんな超能力めいた話しは
SF小説やアニメの中の世界の
出来事のように感じます。

しかし、これを裁判で
真顔で主張した人物がいます。

「私は上司の命令に従っただけで、
虐殺の責任はありません」

と、

彼の名前は

アルドフ・アイヒマン

世界でも最も凶悪な事件の
一つとして数えられる、

ホロコーストを実行した人物
としてその名が知れています。

第二次世界大戦中、

ナチスの親衛隊将校だった彼は、

ユダヤ人の計画的虐殺の
罪を問われた裁判で、

「自分は命令に従って
事務的な手続きをしただけであり、

これによりユダヤ人が
死んだ事には責任がない」

と主張しました。

結局、彼の主張は通らず、
有罪宣告を受け、

絞首刑になりました。

この事件は、

命令に従う、服従の心理学として
非常に重要な事例となります。

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アイヒマン実験の意味と特徴

何百万人の罪のない人たちを
ガス室送りにするわけです。

アイヒマンというのは、

どれほどの悪魔じみた
狂気の人物なのかと、

世の中の人は想像していたのです。

ところが先ほどの回答です。

アイヒマンの主張を聞いた
多くの人は、

「あれは自己弁護しているだけ。

彼はユダヤ人の虐殺を
楽しんでいたに違いない。」

と考えました。

しかし哲学者アーレント
(彼女はユダヤ人)

は違う考えを持っていました。

「彼はごく一般的な小市民に
過ぎなかった。

誰もが命令されれば、彼のような
虐殺行為を行う可能性がある」

と、悪の陳腐性として
知られる内容の発言を行ったのです。

ある意味、アイヒマンをかばう
ような彼女の発言は、

アイヒマン擁護、
ユダヤ人虐殺容認と

受け止められ、

ユダヤ人社会から裏切り者として
厳しい批判を受けました。

しかし彼女は

ユダヤ人としてユダヤ人の
最大の敵、憎むべき相手をも
冷静に分析できた、

偉大な人だったのです。

一方で、

社会心理学者のミルグラム
(彼もまたユダヤ人)は、

アーレントの言う事は
正しいかもしれないと考え、

後にアイヒマン実験として有名になる、

人間の命令に従う、服従の心理の
特徴を明らかにした

以下のような実験を行いました。

実験には、

心理的に問題のない成人が

「記憶に関する心理実験の参加者」

という名目で募集されました。

参加者が研究室に赴くと、

白衣を着た「心理学者」
がまっています。

もう一人の参加者が揃った
ところで実験開始です。

心理学者は、

被験者の片方が教師役、

片方が生徒役になるように
くじ引きをさせます。

教師役の役割は簡単です。

生徒や国暗記の問題を出し、

ミスをするたびに電気ショックの
罰を与えれば良いのです。

服従の心理学とアイヒマン実験

ところが、

徐々に雲行きが怪しくなってきます。

教師役は生徒役が
ミスをするたびに

電気ショックの強さを
上げていかなければなりません。

しかし、どうも生徒役の人は
出来が悪すぎます。

簡単な記憶課題のはずなのに、
どんどん間違えていきます。

電圧ゲージには

「15V:軽い電撃」
「135V:強い電撃」
「375V:過激な電撃」
「450V:×××」

までメモリが刻んであります。

生徒は徐々にうめき声を上げ、

途中から

「もう辞めてくれ、実験を辞めたい」

と絶叫始めます。

しかし、教師の後ろにいる
心理学者が

「続けてください」

「あなたが続ける事が
科学の発展に役立つのです。」

と、実験の継続を促していきます。

「正常な人間」なら、

生徒役が叫び出した当たりで、

教師役は実験を止める
だろうと思うでしょう。

ひょっとしたら、

背後にいる心理学者を
警察に突き出そうと
思うかもしれません。

しかし、この実験の結果、

およそ65%の教師役が

「450V:×××」

まで、

生徒役に罰を与え続ける事が
分かりました。

つまり普通の人間は、

ただ「そうしろ」と
命じられただけで、

相手を死ぬまで痛めつける事が
出来るという事なのです。

命令に従う、服従の心理が
アイヒマン実験の意味と特徴から
分かってきたのです。

アイヒマン実験の動画↓

人間の命令に従う、服従の心理

理不尽な要求でも人は
命令に従ってしまうのです。

つまり私たちは誰もが
アイヒマンと同じような行動を
取ってしまう可能性もあるのです。

この実験結果は、

各界に大きな衝撃を与えました。

一部の特殊な性格や
狂信的な思想を持つ者だけが
行うと考えられていた残虐行為が、

実は誰かに服従する
というだけで行われてしまう
ことが明示されたからです。

日本でもカルト宗教による
とんでもない事件が起こりましたが、

やはりこうした心理が働いていた
のではないかと推測されています。

人間の命令に従う、服従の心理は
非常に強いものです。

これは、アーレントの
悪の陳腐性が実験により
明示された事を意味します。

良心の呵責を感じていても、

人間は命令に逆らう事が困難で、
命令に従ってしまうのです。

それが、ほとんど見ず知らずの
心理学者からの命令であっても

人は考えなしにしたがって
しまうのです。

もし、これが同じ職場で働く

上司からの業務命令で
あったらどうでしょう?

理不尽であればキッパリと
強く断れるというのは、

あくまで想像に過ぎないかも知れません。

多くの人はアイヒマンのように

意味するところ(虐殺)を
考えずに黙々と従い、

出来るだけ効率的に職務をこなそう
とするのではないでしょうか。

命令に従う、服従の危険性

社会的に見れば明らかな
犯罪行為であっても、

会社の利益のため、
会社に服従を誓ったため、

悪事に手を染めてしまう人は
世界中にたくさんいるのです。

なお、

このアイヒマン実験では

実は生徒役も心理学者も
ミルグラムの学生でした。

生徒役を決めるくじ引きに、

必ず「本当の実験参加者」
が教師役になるような仕掛けが
施されていたのです。

生徒役は電気ショックを
受けているように

演技をしていただけなので、

実際には、この実験で
身体的に傷ついたり死んだりした
人はいません。

あくまで心理学実験なのです。

ただし、

教師役の心理的負担は
大きいものでした。

ただし教師役の心理的負担は
大きいものでした。

多くの人は、

自分が簡単な命令で

「人を殺すかもしれない」

電撃を与えた「残虐行為」
に、ショックを受けました。

この実験をきっかけの一つとして

社会心理学の実験を行う時の
倫理的ガイドラインが

定められるようになりました。

現在は、このアイヒマン実験を
そのまま繰り返して行う事は出来ません。

残虐な実験として知られますが、

私たちの心の弱さや脆さを
表す心理学史の1ページに残る

心理学的には意味のある
実験だったのです。

そして私たちには未来により
良い社会を作っていく責任があります。

こうした脆さを超えた強い
心を鍛えていくことも、

私たちに与えられた課題なのでしょう。

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