人間の縄張り、テリトリー、懐に飛び込む相手との距離の心理学


今回のテーマは、

人間の縄張り、テリトリー、
懐に飛び込む相手との距離の心理学

について紹介します。

オセアニアのオーストラリアでは、
カンガルーのある興味深い
行動が見られるそうです。

突然取っ組み合いのケンカを始め、

ボクシングさながらに
強烈なパンチを繰り出す
カンガルーたち、

ところが、ひとしきり
ハッスルをしたとことで、

まるで魔法のようにぴたっと
ストップしたかと思うと、

カンガルーたちは何事も
なかったように、

静かに一列に並んで座り込み、

皆揃って同じ方向を
見つめるそうです。

このユーモラスな行動は
心理学者に言わせれば、

しっかりとした理由があるとの事、

揃って周りの何かに
意識を向ける事で、

気分を落ち着かせ、
お互いへの意識をシャットアウト
しているのです。

皆同じ方向を見ていれば、
お互いを見ずに済み、

平穏が戻ってくる
これは転移行動とも呼ばれる行動だとか、

実はこれは人間のある行動にも
よく似たものが見られます。

それがエレベーターの中です。

これは人間の縄張り、テリトリーの
心理学に基づいた興味深い行動です。

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人間の縄張り、テリトリーの心理学

エレベーターの中はとにかく狭いので、

他人との距離はどうしても
近くなります。

我々人間も動物の仲間ですから、

自分たちの縄張り、テリトリーに
知らない人間が入ってくると、

不快を感じ、攻撃的になります。

とはいっても、エレベーターに
乗らない訳にもいきません。

だから自然と人間は、
さっきのカンガルーと同じように、

皆一様に前を向き、
一点を見つめます。

誰も目を合わさず、整然と並んで
直立するのが普通です。

ここでもし、あえて空気を読まず、
隣の人の顔をじーっと
見つめたらどうでしょう。

一気に不穏な空気が漂うのを
ひしひし説かん実でしょう。

しかしこんな人間の縄張り、
テリトリーを上手く飛び込んで、

いわゆる相手の懐に飛び込むのが
上手い人がいます。

それが私の友人の1人
サラリーマンの島田さんです。

島田さんの上司は
いわゆる雷オヤジタイプです。

部下が仕事でミスをしようものなら、

フロア中に響き渡るような
大声で叱りつける事で有名です。

確かにカリスマ性のある
良い上司なのですが、

あの雷さえなければなあ、、

などと部下はささやき合っています。

普通、大声で怒鳴りつけられれば
身を引いて後ずさってしまうものです。

しかし島田さんの場合は少し違います。

怒鳴られても身を引かず、
むしろ上司に近づくようにして
頭を下げて謝るのです。

見ている方はハラハラするのですが、

上司はそんな島田さんに対しては

お説教の時間も短く、
一瞬爆発するだけで怒り
引っ込めてしまうようです。

「叱られ上手だな」

と島田さんは同僚たちから
そんな風に言われているそうです。

かといって、真似をする
勇気のある人もなかなか
現れないのですが、、

懐に飛び込む相手との距離の心理学

島田さんは知って知らずか

うまく懐に飛び込む
相手との距離の心理学を掴んでいます。

人間の本能として、

叱られているときは
(攻撃されるとき)
なるべく遠ざかりたいのが本心でしょう。

しかし、実は逆効果です。

怒っている人は相手が遠ざかれば、

これを追うように逆に
相手の声も大きくなります。

島田さんはそれを逆手に取って
ぐいぐい近づき、

その結果、上司は
怒鳴れなくなってしまうのです。

これを心理学的に解説してみましょう。

人間を含むあらゆる動物は
自分の縄張り(テリトリー)を持ち、

それを守ろうとします。

自分が支配している領域を
「ボディゾーン」と呼びます。

アメリカの文化人類学者
エドワード・ホールは

人間が普段意識している
相手との距離を

次のように4つに分類しています。

1.密接区分

ぴったり接触している0センチ

いつでも相手のボディに
触れる事のできる45センチ程度の距離

接触する事ができるのは、

家族や夫婦、恋人同士の場合、

45センチ程度の距離まで
近づかれると、

かなり親密な関係でないと
警戒心が生じます。

2.個体距離

45~120センチ程度

双方が自分の気持ち次第で、
手を伸ばせば触れ合える
距離です。

親しくはあるが
特別の関係ではない距離。

3.社会距離

120~360センチ程度

上司と部下、対等な相手との
相談などの距離です。

テーブルを挟んだ会議なども
これにあたります。

4.公衆距離

360~750センチ程度

縄張りを意識する最大の距離

相手との距離をうまく活用する人

このように、間柄によって
取る距離というのが自然と決まっていますが、

逆に言えば、距離を
縮める事によって、

相手との心理的距離を
近づける事ができるのです。

懐に飛び込むのが上手い人は
この辺りの感覚に長けています。

「叱られ上手」の島田さんは

本来社会距離が保たれている
間柄の時に、

相手の懐に飛び込む
事によって急接近したため、

上司は動揺して
怒る気を失ってしまうのです。

相手との距離を意識するだけで
心理的な状態が変わります。

その人の本心を伝える
最も優れたコミュニケーション
手段の一つにタッチングがあります。

アメリカで
以下のような実験が行われました。

まず簡単なアンケートを実施します。

このとき、相手の腕に
軽く触りながら「タッチング」

答えてもらう場合と、
どこにも触らずに答えてもらう場合の
二種類を試します。

そして、アンケートを終えたとき、

うっかり解答用紙の束を
落としてしまいます。

そのときに、

床に散らばった紙を拾うのを
手伝ってくれる人がどれくらい
いるかを調べてみました。

すると、腕を軽く
触れられた方の人の方が

紙を拾うのを手伝ってくれる
率が高かったのです。

タッチングで有名なのは

「雑談の名手」と言われた

故、三木武夫元首相です。

三木さんにじりじり近づかれて

ひざをなでたり、
ゆすったりされると
反論できなくなり、

いつのまにか三木さんの
意に添った方向に話しがまとまる事が
よくあったと言います。

これも懐に飛び込む相手との距離の
心理学を上手く使った例でしょう。

自分の優位の縄張り、
テリトリーに相手を引き込む、

相手が自分との距離を
どのようにとっているかによって、

自分に対しての深層心理も
見抜けるという事です。

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