斬新なアイデアほど反対される、全会一致の集団決定は危険


今回のテーマは

斬新なアイデアほど反対される、
全会一致の集団決定は危険

について紹介します。

様々な歴史を経て、

何でもかんでも権力者が
ルールを決めるという、

独裁的な国家システムから、

人々の総意、意見で決める
民主主義システムに世界は移行し、
(例外はありますが、)

そのやり方が社会に浸透して
ある程度の期間が経ちました。

ところが会社組織であっても

まだまだ旧体制を引きずる
ような場面は多々見られます。

参加者の意見を一致させながら
プロジェクトを進めるというのは、

確かに集団、組織で動く上で
もちろん大切なことです。

だからと言って、

全員賛成の意見というのは危険です。

反対意見があって意見の摩擦が
あり議論があって初めて

そのアイデアは磨かれるのです。

こうしたやり取りに関して、
私の知り合いにこんな事例があります。

新製品キャンペーンの企画案
二案が広告代理店から上がってきて

プレゼンを聞いた結果、

宣伝畑の長い城所さんは

斬新で刺激的なA案が気にいっていました。

B案は手堅く好感を持って
貰えるだろうがインパクトに欠け、

他者との差別化が出来ないために
採用にしないと考えました。

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有力者の意見に従ってしまう心理学

ところがです、

どの案を採用するかを決める
役員会議が始まる前の雑談の時、

有力な重役の一人がA案について

「この不景気な時代に、
ちょっと浮ついてるんじゃないか?」

という発言をしました。

城所は思わず、ため息をつきました。

まだ会議も始まっていない
段階の私的な発言だったのですが、

もちろん会議出席者たちは
これを聞き逃すはずもなく、

決して逆らえない意見として
認識してしまったのです。

城所さんの会社の会議は基本的には
全会一致をもってよしとする。

最終的に通ったのは
もちろんB案のアイデア、

当の城所さん自身も
渋々賛成にまわる事になりました。

後で聞いてみると城所さんと
同じ意見を持っていた人は
実は多かったらしく、

影響力を考えずにそういう発言を
した重役にも困ったそうですが、

事、企画会議に関しては、
会議のシステムそのものを
見直した方が良いのではないかと

城所さんは思っています。

彼の事例から斬新な
アイデアほど反対される事、

また全員賛成の全会一致の
集団決定は危険だということが学べます。

斬新なアイデアほど反対されるが、、

西武鉄道の堤康次郎さんは
こう言っています。

「全役員が反対したらGO!
全役員が賛成したら危険と思え」

たしかに全役員が反対したらGO

という路線は並の会社では
出来ない事かもしれませんが、

周囲があっと驚くような
賭けに出る時には、

これぐらいの覚悟は必要でしょう。

前例がないから
「斬新すぎる」

などの理由で、

アイデアの芽を摘むような決断は

ちょっと待てという事なのです。

ファスナーで世界的に有名な
YKKの創業者、吉田忠雄さんも、

「私は、全員の賛成を待ってやる
ということはしなかった。

全員が賛成するような案では
パンチがないし、

全員が賛成する頃にはもう遅れを
とっているものが多いからだ」

と述べています。

「和を持って尊しとなす」

という風土の日本では、

会議でも「全会一致」が好まれます。

事前の根回しで全てが決まり、
会議は結果を確認するだけ…

これでは何のための会議か分かりません。

同調行動、全会一致の集団決定は危険

もともと人間には、

周囲の多くの人の行動を
真似しようと言う群集心理があり、

周りと同じことをすると
安心する心理が働きます。

心理学ではこれを

同調行動

と言っています。

アメリカの心理学者アッシュが行った
実験で以下のようなものがあります。

三本の長さの違う線が紙に書いています。

数人の被験者にこれを見せ、
どれが一番長いかを当ててもらいます。

幼稚園生でも分かりそうな質問です。

ところがここに一つ仕掛けを入れます。

実は被験者は一人を除いて
全てがサクラなのです。

その実験によれば、

サクラ全員が口を揃えて
わざと間違った答えを主張すると、

本当の被験者まで、

その間違った答えを口にしてしまう
という傾向が認められたそうです。

自分以外の全員が短い線を

「これが一番長いです」

と答えると、その人も
その答えに同調してしまうのです。

孤立する事を恐れる心は、

客観的な事実まで曲げてしまい
かねないほど強いものなのです。

路上販売などで

誰も見ている人がいなければ、
ただ通り過ぎてしまうが、

人だかりが出来ていると
つい覗きたくなってしまうものです。

人が集まっているからには
何か特別なものがあるのではないか、

それを知らないのは
恥ずかしい事ではないか、

という意識が働くのです。

だから「サクラ」は効果的なのです。

ただこうした心理、

人と同じ意見を述べてしまう
全会一致の集団決定は危険とも言えます。

斬新なアイデアと集団決定の関係

「流行」も、こうした
群集心理が起こします。

「たまごっち」が流行したときは

猫も杓子も売り場に殺到して
すぐに売り切れになったのもです。

しかし、後で考えてみると、

本当に面白いと
思っていたかと言うと、

買っただけで何もしなかった
という人も多かったのです。

周りの誰もが持っているのに、

自分だけが持っていないと不安だ、
仲間はずれは嫌だという
心理がそうさせたのでしょう。

あるいは健康に関する
テレビ番組で

「〇〇がダイエットに効果的」

と言った翌日からその商品が
スーパーから消えることもあります。

しかし納豆の効果を
捏造した番組があったことは

まだまだ記憶に新しいでしょう。

会議でも同調行動は
起こりがちなのです。

さほど賛成する気はなかったのに、
反対する勇気もなく、

他に賛成者が多かったから
問題ないだろうと思って

つい賛成になびいてしまう
という事があります。

しかし、後で聞いてみると、

みんなが同じ事を考えて

不本意ながら賛成に
まわっていた事が分かりました。

会社の運命を左右するような
会議がこんな調子では

致命的な事になりかねません。

斬新なアイデアという理由で
反対されると、

会社の成長は望めないかもしれません。

会議などの集団決定の時に
起こるような危険な状態を
「リスキー・シフト」と呼びます。

新商品や新プロジェクト
などについての会議では、

これまでにない斬新なアイデア
こそが求められているはずです。

「全会一致」が得られたとしたら、

それはきっと、誰もが思いつく
ような陳腐な発想に違いないです。

こうした人間の心理を踏まえた上で、

判断材料にすることで、
より良い決断ができるでしょう。

ぜひ参考にしてください。

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