伝説の投機家ジョージ・ソロスとクォンタムファンドの教え


今回のテーマは、

伝説の投機家ジョージ・ソロスと
クォンタムファンドの教え

について紹介します。

ジョージ・ソロスは
1970年に「クォンタム・ファンド」を設立後、
81年に一度だけ損失を出していますが、

それ以外はほぼ一貫して勝ち続けている
「世界一のマネー・マネージャー」です。

「世界一の投資家」と呼ばれる
ウォーレン・バフェットと違い

株式投資を主戦場としていません。

経済学は科学でしょうか?

自然科学と社会科学では
研究方法が根本的に異なるはずですが、

それがまともに論じられる事は
なかなかありません。

自然科学では科学者の思考と
その対象とが分離できるのに対し、

社会科学では意志を持って
参加する者が存在する為に、

主体と客体が同じで、
始めから欠いています。

こうした問題意識を
大学生時代から持っていた事が、

ソロスにユニークな視点を
生み出す原点となりました。

イギリスを敵に回した伝説の投機王

ソロスが世界中にその名を
とどろかせたのは92年、

ERM(欧州為替相場メカニズム)危機で
100億ドル相当のポンドを売ることで、

総額20億ドルもの利益を
稼ぎだした時です。

当時、イギリス経済は低迷していました。

にもかかわらず通貨だけは高値でした。

イギリスはいずれERMを脱退し、
ポンドを切り下げるのがソロスの読みでした。

イギリスの首相や蔵相は
切り下げを否定しましたが、

ソロスは「現実の厳しさ」をしっかりと見て、
ポンドのカラ売りをする一方で、

ドイツ・マルクやフランス・フランを買い、

株や債券の空買いや空売りを仕掛けました。

総額100億ドルに及ぶ壮大なかけでしたが、
ソロスの取っては「結果の分かり切った賭け」でした。

イングランド銀行は269億ドルを投じて
ポンドを買い支えようとしましたが、

流れを止めることはできず
イギリス政府はソロスの読み通り、
ERMから撤退します。

ジョージ・ソロスとクォンタムファンド

ポンド危機の乗じて利益を上げたのは
ソロスだけではないですが、

ソロスの利益は圧倒的でした。

この日をイギリス国民は
「ブラック・ウェンズデー」と呼び、

ソロスは「ホワイト・ウェンズデー」と呼びます。

通貨の混乱を引き起こして
それに乗じて大もうけしたソロスを
イギリスのマスコミは批判しましたが、

当人は平然とこう答えました。

「良心がとがめる為に
ある行動を控えなければならないのなら、
私は腕の良い投機家ではなくなっていしまう」

ジョージ・ソロスは
イギリス政府やイングランド銀行を
倒そうとしたのではありません。

「私はお金を儲けるためにやったにすぎない」

というのがソロスの主張です。

「私がやらなければ、他の誰かがやったでしょう」

とも付け加えています。

こうしてジョージ・ソロスと
クォンタムファンドは、

伝説の投機家となったのです。

ジョージ・ソロスの考え方

「クォンタムファンド」において
世界で最も輝かしい運用成績を
残してきたヘッジファンドの王者となり、

市場への影響力が極めて
大きい存在となった為、

ソロスはいくつもの国家から
目に敵にされたり、

悪者のような扱いを受けた事も
しばしばです。

しかしながら彼の思考法や
その行動は極めて独創性に
飛んでいる事が分かります。

ご自身の著書

『ソロスの錬金術』
(総合法令、1996年)

ではソロスに関する考え方が
最も色濃く反映され、

彼の証券市場に対する
行動理論が詳しく書かれてています。

副題は

「市場参加者の価値評価は
常に偏りがあり、それが収益を
もたらす投資機会となる」

と言うものです。

市場は合理的には動かない

ソロスにとって市場は、

従来の経済理論とは現実に
かけ離れた存在であると考えます。

人は合理的に考え、行動するのでなく、

人々は不完全な知識の元に行動し、

市場が均衡状態に達する事など
滅多にないと言うのがソロスの考えです。

ソロスの著書である
『グローバル資本主義の危機』

ではマクロ経済について論じられています。

人間の思考は完全性はなく、
不確実性であると指摘し、

経済理論はこうした点を無視し、

人間は合理的且つ完全競争
の元に行動する事を前提としているため、

実態から大きく解離しています。

だからこそ現在のグローバル資本主義の
システムは開かれた社会の
歪んだ形を持っており、

市場原理主義者の思想が
大きなな驚異になっていると
ソロスは指摘します。

この歪みからジョージ・ソロス
クォンタムファンドは
大きな利益を得た訳ですが、

不安定な金融市場で危機を防ぐための
提案をこの本で話されています。

現実的に導入されてはいないのですが、

グローバル資本主義のシステムでは、

マネーの追求が
あらゆる社会的課題二優先し、

国家的な統制の機能停止と
政治の失敗の両面が、

市場原理主義者と相互に
働いているのは問題であり、

ブーム(暴騰)やバースト(暴落)
が一定のレベルを超えれば、

取り返しのつかないほどの
ダメージを加える事もあるのです。

そこで国際金融当局による
適切な規制や介入が必要であるという、

ジョージ・ソロスの意見は
大変貴重です。

伝説の投機家の考え方から
様々な視点を学ぶことができます。

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