ユダヤ人にとって聖典トーラー(モーセ五書)こそ知性の土台


今回のテーマは、

ユダヤ人にとって聖典トーラー
(モーセ五書)こそ知性の土台

について紹介します。

唯一神による啓示であり、
権威の源泉であり、

ユダヤ教徒の生活の根幹を
なすものとして、

ユダヤ人にとってトーラーこそ
知性の土台と考えられています。

ユダヤ人は国を滅ぼされ、
2000年もの長きに渡って
離散していたのにも関わらず生き残り、

遂にはイスラエルと言う
国家を復活させる事ができたのか?…

世界の各分野で活躍する
優秀な人材を輩出し続けている
その秘密は何なのか?

その秘密は、

ユダヤ人が重視する勉強と、
彼らが学んでいるその内容に
あるのではないでしょうか。

ユダヤ人は
「The people of the book」
“書物の民”と呼ばれますが、

ここでいう「The book」は
トーラーの事を指します。

トーラーは旧約聖書を
構成する最初の5つの書物、

「創世記」「出エジプト記」
「レビ記」「民数記」「申命記」

を指します。

広義ではヘブライ語聖書全体、

口伝の法典である
タルムードも含みますが、

そもそもトーラーという言葉自体、

「教え」を意味する
ヘブライ語でもあります。

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そもそも旧約聖書とは?

日本語では、
バイブル(聖書)は

旧約聖書と新約聖書に
分かれていますが、

旧約聖書がユダヤ人にとっての
聖書です。

「約」というのは
契約の約のことですが、

キリスト教も、ユダヤ教を
母体として生まれた宗教で、

旧や新と区別して呼ぶのは
クリスチャンで、

ユダヤ人は聖書の事を
旧約聖書とは呼びません。

ただ単に聖書と呼び、

ヘブライ語で「ミクラー」
これは読むと言う動詞から
派生した言葉です。

超自然的人格神への
信条と終末論を重視する
キリスト教に対し、

ユダヤ教ではトーラーの学習と、

613あると言われる
戒律の遵守に重きを置きます。

そして聖書の目次を見ると
分かるように

聖書というのは単一の本ではなく

内容も成立も様々な
多数の書物からできている合本です。

キリスト教とユダヤ教で
旧約聖書の扱いが異なる点は、

順序に違いがある事で
内容には違いはありません。

そしてユダヤ教では
聖書の各巻を大きく三つに分類し

「トーラー(律法)」
「ネビイーム(預言書)」
「クトビーム(諸書)」

です。

聖典トーラー(モーセ五書)の特徴

「ネビイーム(預言書)」は

前期預言者として

「ヨシュア記」「士師記」
「サムエル記」「列王記」

後期預言者として

「イザヤ書」「エレミヤ書」
「エゼキエル書」「十二小予言書」

「クトビーム(諸書)」は

「詩編」「箴言」「ヨブ記」「雅歌」
「ルツ記」「哀歌」「コヘレトの言葉」
「エステル記」「ダニエル記」「エズラ記」
「ネヘミヤ記」「歴代誌」

に分かれます。

最古の5つの書が
トーラー、モーセ五書です。

また大きくトーラは
二つ存在するとされています。

一つが文字で書かれた

「成文トーラー」で、

すなわちヘブライ語聖書の事、

もうひとつが、

その法規的解釈や物語伝承
を口頭で伝えた

「口伝トーラー」です。

神がモーセに啓示した
法規や掟は、

弟子ヨシュアから長老、
預言者を経て、

行く世代に渡って賢者
経ちに伝えられたのです。

各時代の賢者たちは
法伝承を発展させ、

あらゆる事態に対処できる
新しい掟や法規を
生み出してきたのです。

ユダヤ人の知性の土台となるトーラー

中でもトーラーが
聖書の基本になる最も重要な書で

「創世記」「出エジプト記」
「レビ記」「民数記」「申命記」

をまとめて指す言葉です。

これらの書はモーセと言う
ユダヤの預言者が書いた

と言われる事から「モーセ5書」
とも呼ばれます。

日本では「律法」と訳されますが、

トーラーと言うのは

元の意味は「教え」「指示」
と言った意味に近いと言われます。

あるユダヤ人の脳神経学者が
言っていましたが、

ユダヤ教ではトーラーの学びは
よく水に例えられるそうです。

ユダヤ教の経典であるイザヤ書には

「噫汝ら渇ける者ことごとく水にきたれ」
(イザヤ書五五章)

と言う言葉があります。

水は人にとってなくてはならない
非常に重要なものです。

その重要なものに
トーラーを例えているのです。

工芸の技が凝られた
美術品のようなトーラーが
あったり、

死海近くのマサダ遺跡の
シナゴーグでは、

筆記者がトーラーを
手書する様子も見学できますが、

トーラーは一文字も間違いが
許されず丁寧に書かれる様子が
伺えます。

ユダヤ人に伝統的に読まれ続けるトーラー

ユダヤ教に取って
聖なる書として重要な書物である
聖典トーラーですが、

同時にこれは民族の
書き換えのない歴史と文学
書でもあります。

ユダヤ教徒はシナゴーグに通い、

一年かけてトーラーを
読むと言います。

シナゴーグにある羊皮紙に
手書された巻物状のトーラーは、

極めて神聖な聖典であり、
直接触れる事すらしないそうです。

ヤッドと呼ばれる指示棒
を使って字を追うのです。

イスラエルでは、

小学校からトーラーは
教えられていて、

高学年になれば、
聖書注解書を用いて学びます。

さらにユダヤ教では、
トーラーを毎週少しずつ読み続け

1年を周期に読み終えるのですが、

そのサイクルの終点と出発の日を
喜びの日としてお祭りにします。

ユダヤ教の霊性の最も
特徴的なものが、

トーラー研究でしょう。

貧しくても、金持ちでも、
健康でも、病気でも
年寄りでも若くても

タルムードの理念では

生活するだけに十分なだけ働けば

残りの時間はトーラーの学習に当て
生涯学び続けると言います。

こうして”書物の民”は
知性の土台となる能力主義を作り上げ

こうしたユダヤ人の文化が
人類の知的遺産への貢献の
元になっていると考えられているのです。

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