古武道の居着きに見るストレスで固まる、身体が動かない原因

古武道の居着きに見るストレスで固まる、身体が動かない原因
今回のテーマは、

古武道の居着きに見るストレスで
固まる、身体が動かない原因

について紹介します。

敵(ストレス)に遭遇したときの

動物的本能として
私たちに備わるのは、

闘争と逃走の反応、

つまり戦うか逃げるかという
反応を見せるものですが、

現代社会の人間には「凍結」
と呼ばれる特殊な事情もあります。

前回紹介した「逃げろ」という
体の声が聞こえなくなる現象ですが、

この状況を上手く言い表す
言葉が武道の世界にあります。

それが

「居着き」

という言葉です。

元巨人軍投手の桑田真澄さんに
古武術を応用したクイックモーションを
指南した事で知られる、

武術研究家の甲野善紀さんの
著書『古武術に学ぶ身体操法』
にでてくる言葉です。

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古武道の居着きとは?

この著書で居着きについて
甲野さんはこう説明します。

「”居着き”という言葉があります。

これは武術用語で、パニックに陥って
判断停止状態になっていること、

或はすぐに反応できず動けない
状態になっている事を指します。」

(中略)

固定的価値観にとらわれている
事を指す場合もあります。」

もう一つ別の説明も
紹介しておきましょう。

フランス現代思想研究家で
合気道の高段者、

甲野さんの友人でもある
神戸女学院大学名誉教授の
内田樹さんは、

その著書

『私の身体は頭がいい』

の中でこんな風に説明しています。

「相手の出方を気遣い、
相手の強さや速さを予測し、

それへの対応をあれこれと
思案しているうちに、

そのような心理的な働きが
『抵抗』となって運動能力全体が
平均値以下に下がってしまう事を、

武道では『居着き』と呼ぶ。

(中略)

武道の場合は、命がけの闘争
の場合を想定しているわけだから、

そのような場面での運動能力の低下は、
直ちに死活問題に繋がる。」

ストレスで固まる、身体が動かない原因

要するに、頭であれこれ考えたり
「えー、どうしよう」と悩んだり、

何らかの思考や価値観に
とらわれている状態では、

いざという時にとっさに動けなくなる
という事です。

そしてストレスで固まる理由や、
身体が動かない原因も
この辺りのメカニズムにあるでしょう。

頭でっかちになるほど、
身体がお留守になるわけです。

現代人特有のストレスである
上司の嫌な一言も

頭で色々と考えすぎて
身体が固まってしまうのです。

これを武道の世界では、

「身体が床にくっついて
しまう現象=居着き」

と呼び、古くから戒めとして
伝えてきたわけです。

これは武道の世界だけでなく
日常生活のあらゆる場面で
役に立つ考え方でしょう。

頭で考えると身体は固まる

私自身武道の心得はないのですが、

目の前にいきなり
刀を突きつけられたり、

相手に羽交い締めに
されそうになったとき、

身体が固まり、身体が動かない
状況になればまずい事は
理解できます。

では「とっさ」というのは
どんなスピードでしょう。

私は甲野さんが講師を務める
身体技法のセミナーに参加して、

デモンストレーションの
技を見学した事があります。

それは甲野さんと受講者が
50センチくらいの距離で向かい合い、

ひざを付き、隙を見てパッと相手の
身体を後ろに押し倒すというものでした。

相手の手を払いのけてもいいし、
押し倒しても構わない

というルールで始めたわけですが、

受講者がひざを下ろして

「さてそれでは始め…」

という瞬間に、甲野さんは相手の
胸を付き受講者は尻餅をついていました。

みなが気を緩めている
瞬間を狙ったわけですが、

まさに文字通り

「相手の出方を気遣い、
相手の強さや速さを予測し、
それへの対応をあれこれと思案」

していたその矢先に
技をかけてしまったわけです。

典型的に居着きの姿という事です。

頭で考えている事が原因で
身体に隙ができている状態です。

現代人が忘れかけてたストレスの反応

これがもし相手がセミナーを
やっている甲野さんではなく、

昔の武士だったら、
バッサリ斬られていたでしょうし、

ライオンであれば、あっという
間にエサにされていたわけです。

現代人が忘れてしまった
感覚を思い出させるような

興味深いデモンストレーションでした。

確かにライオンというのは

襲いかかる前に

「3、2、1…GO」

というような合図はしてくれません。

いつもライオンに襲われるリスクを
生って生きているシマウマは、

草むらから不意にライオンが
襲いかかってきた時に、

考えたり準備するような
暇はないわけです。

それまでのんびり草を食べていたとしても

パッと瞬間的に身をかわして
逃げる以外いにないわけです。

ストレスで固まる…
身体が動かない…

ではすく食べられます。

「ちょっと待った」も通用せず、

「おっと逃げなきゃ」などと
悠長に考えていては、間に合わないのです。

これは現代人が忘れかけている
大きな特徴ではないでしょうか。

ストレスで固まる、身体が動かない
原因を古武道の居着きなど
から学ぶことができますが、

次回からさらにこの仕組み
そして対処法について考えて行きましょう。

甲野さんの身体に関する考え方↓

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