ストレスとメンタルヘルスに関わるセロトニン神経のメカニズム

ストレスとメンタルヘルスに関わるセロトニン神経のメカニズム
今回のテーマは、

ストレスとメンタルヘルスに関わる
セロトニン神経のメカニズム

について紹介します。

前回紹介した
IBS過敏性腸症候群以外に、

慢性的なストレスによって
引き起こされるもう一つの
問題について考えてみましょう。

「セロトニン神経」

という細胞群に注目しましょう。

心の健康と体の健康は
密接な関係にあり、

切っても切れない関係
にあるわけですが、

特にメンタルヘルスに関わる
セロトニン神経というのは、

脳幹(古い脳)に数万個ほどある
神経細胞の事で、

脳幹から脳全体に向かって
神経の腕を伸ばしています。

その腕の先端からセロトニン
という物質を放出するのですが、

この神経のメカニズムが
コンスタントに安定的に働いて
セロトニンが出ていると、

脳全体の電気的な活動が
静かになると言います。

脳の中の神経の働きを
全体的に抑制するのです。

スポンサーリンク

ストレスと心のホメオスタシス

セロトニン神経について研究する

東邦大学医学部の教授である
有田秀穂さんによれば、

「記憶や運動と言った特定の
機能を担うわけではなく、

全体的な活動を鎮めるのが特徴です。

脳の中でもかなり特殊な
働きをしている神経群です」

という事ですが、

脳というのは普通活性化するほうが
好ましいイメージがあるでしょうが、

脳の活動が静まるとどうなるか?

興味深い事に心の状態が
ゆったりと落ち着いてきて
安定するのです。

些細な事に一喜一憂せず
どっしりと構えた気分になる。

セロトニン神経はこうした
心の状態を作り出すのです。

ストレスへの対応や
メンタルヘルスについて
非常に重要な役割を持つ、

「心のホメオスタシス」

のバランスを保つコツとなる
神経と言えそうです。

セロトニン神経のメカニズム

そうです。

このセロトニン神経が
本領を発揮するのが、

ストレスを受けたときなのです。

この神経がしっかりしていると

多少のストレスでは心は揺るがない
安定感を生み出してくれます。

あなたも周りにも、
みんながイライラして不安を抱える
ようなストレスフルな状況でも、

一人悠然と構えているような
タイプの人がいると思います。

肝が据わっていると言うか
達観しているようなタイプです。

どんなことがあっても動じない
頼りがいのあるタイプです。

こうした人の脳では恐らく

セロトニン神経のメカニズムが
しっかりと働いているのです。

もちろん個人差はありますが、

誰でもこの神経を持っているのですが、

セロトニン神経には弱点があります。

有田さんによればこの神経は
ストレスにさらされると、

働きが弱くなってしまうとの事です。

ストレスとセロトニン神経の関わり

ストレスに対抗する為の
頼みの綱ににもかかわらず、

ストレスにやられてしまう…

というのは非常に矛盾した
メカニズムのように聞こえますが、

もう少し正確に言えば、

突発的なストレスが
かかった時には心の安定を保つ
働きをするものの、

ストレス状態が長期化して
慢性化すると、

徐々に衰えて行ってしまう
という事なのです。

まさに原始時代には
非常に頼りになったものですが、

現代社会になって
通用しにくくなった一例でしょう。

また今後詳しく紹介しますが、

このセロトニン神経を活性化して
メンタルヘルスを高める為に
条件がいくつか知られています。

(リズムカルな運動、スキンシップ、
太陽光や栄養など)

こうした要素が日常生活の
中から減ってしまう事によっても、

この神経の働きが弱ってしまうのです。

そうなれば心が揺れ動きやすくなり、

些細な事で落ち込んだり、
イライラしやすくなるのです。

つまり心のホメオスタシス機能が
弱ってしまうのです。

ストレスとうつ症メンタルヘルスの関係

またメンタルヘルスを損なう
代表的な症状であるうつ症の人も、

脳内でのセロトニン神経の
働きが弱まっています。

すると気分が安定しないし、

落ち込んだら回復が難しく
なるのです。

ストレスがかかった時にも、

精神的なダメージを人一倍
強く受けてしまうのです。

うつ病もまたストレスと
強く関係する事が多い症状です。

以前に紹介した心身症が
ストレスから来る「体」の病気

であるならば、

ストレスから来る心の病気が
うつ症のメカニズムです。

その発症に、セロトニン神経
というコントロールシステムの
機能不全が関係しているのです。

ストレスによって心の
コントロールシステムが
破綻してしまうのです。

この構造メカニズムは以前
紹介した心身症の発症の仕組み

ストレスによって体の
コントロールシステムが破綻する
メカニズムとよく似ています。

セロトニン神経が弱まるとどうなる?

さらにもう一つストレスの
メンタルヘルスの問題として、

セロトニン神経が弱まると
新しい脳の働きにも異変が
起きるのです。

有田さんによれば、

人間の脳の働きには一種の序列、
優先順位のようなものがあり、
方向性のようなものがあるそうです。

新しい脳が古い脳の働きを
抑制するメカニズムが、

一般的でしょう。

新しい脳がブレーキを踏み
古い脳を我慢させると言う

これまで通りの構図です。

その中でセロトニン神経は
例外的に古い脳の側から
新しい脳を抑えられる事ができます。

というのも、

セロトニン神経が伸ばす
神経細胞の腕は、

大脳皮質にも届いているので、

新しい脳の活動に抑制を
かけられるのです。

いわばセロトニン神経は、

古い脳の側から下克上を起こす
逆ブレーキのようなメカニズムです。

ではこの逆ブレーキが
弱るとどうなるのでしょう。

新しい脳の思考が止まらなくなり
色々な事を延々と考え続けてしまうのです。

メンタルヘルスを守るメカニズム

この仕組みがメンタルヘルスに
どのような影響を及ぼすでしょう。

陸上自衛隊衛生学校
メンタルヘルス教官として、

自衛官のストレス対策や
精神面のケアを担当していた

ベテラン心理カウンセラーの
下園壮太さんによれば

「ストレスを強く感じているとき、

ちょっとした事が気になって、
夜も眠れないぐらい悶々と
思い悩んでしまう事がありませんか?

元気なときは、そのうち
”まあ何とかなるだろう”という
気分になって自然と収まるのですが、

ストレスが溜ってくると、
思考がぐるぐる回って止まらないのです。

そんなときの思考パターンはたいてい、
同じ所を循環しているので、

どこまでいっても埒が明かない。

すると元々は些細な問題でも、
どんどん大事件のように感じてしまう。」

…とのことです。

こうしたメカニズムもまた、
うつ病の人に良く起きる症状です。

うつ病と診断されるレベルまでは
行っていなくても、

精神的な疲れが溜ったり
ストレスを強く感じている時に、

こんな状態になった経験が
ある人も多いと思います。

こうした「思考の暴走」も、
慢性ストレス状態の特徴と言えます。

またメンタルヘルスを守る
方法も紹介しますが、

セロトニン神経のメカニズムを
まずはしっかりと理解しましょう。

新しい脳に対する逆ブレーキが
弱って思考が止まらなくなると、

古い脳はますますストレスフルな
状況に追い込まれて行くのです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

こちらの記事もおススメ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>