ユダヤ人が世界的に嫌われる理由とは?迫害と反ユダヤ主義の謎


人間とは何か?どういう存在か?

そんな根源的な考えを
誰もが少しくらい考える機会が
あるのではないでしょうか?

それくらい人は謎が多く、
奥深い存在なわけですが、

ちょっと今回は角度を変えて
考えてみることにしましょう。

ユダヤの民と言えば?…

スポットライトを浴びるのは、

学問、芸術、思想、ビジネス
の分野で多くの天才を輩出し、

地球上に多くの価値を
生み出してきた成果…

こうしたポジティブな面を
イメージする人もいるでしょう。

逆に言えば、

ホロコースト、差別、迫害、
抑圧、国外追放、流浪の民

…と言ったネガティブな
イメージも存在します。

まさに陰と陽の世界のように…

さらに陰の部分に注目すると、

このテーマは非常に
デリケートなテーマですし、

様々な人が様々な意見を言い、
何が正しいのかは全くわかりません。

私が答えを出せない事は十分
理解しています。

日本人にとって
なじみの薄い事情ですし、

理解しきれない深層心理の
状態もあると思います。

あくまで一意見として
聞いてほしいのですが、

なぜユダヤ人は嫌われるのか?

これは、J・P・サルトルさんが書いた

ユダヤ人問題をテーマにした
論文が参考になります。

サルトルさんはご存知のように、
ノーベル文学賞に選ばれながら辞退した

20世紀を代表するフランスの
哲学者であり文学者です。

そしてユダヤ人に関する論文は、

第二次世界大戦終決直後の
1947年に発表されました。

日本では岩波新書の
「ユダヤ人」と言う本で、

1954年に翻訳され出版されています。

そしてその中で、

端的にユダヤ人問題の本質を
付いていると思われる部分が、

「ユダヤ人」の第一章のタイトルです。

ユダヤ人の迫害と反ユダヤ主義の謎

…ここでサルトルさんの
考え方を紹介する前に、

ユダヤ人の迫害の歴史を
簡単に振り返ってみましょう。

20世紀のヒトラーによる
ホロコーストを頂点として、

12~13世紀の十字軍、
14世紀のペスト禍など、

西洋社会ではユダヤ人に
容赦のない仕打ちを、

繰り返した歴史があるのですが、

反ユダヤ主義というのは、
ユダヤ人に対する抑圧とそれを
正当化する思想を指す言葉ですが、

形態としては、

1.物理的暴力行使
2.反ユダヤ・キャンペーン
3.宗教的反ユダヤ主義
4.社会、経済的排斥

があります。

上田和夫さんの著書『ユダヤ人』

の中でこうしたユダヤ人迫害
反ユダヤ主義のまとめとして

以下の4つの理由を挙げています。

1.ユダヤ人が神から選ばれた
選民思想への羨望と嫉妬

(この中にはユダヤ教がユダヤ人
以外の他民族に門戸を開かない
固有の宗教である事、

またユダヤ人がキリストを
十字架にはりつけた事も含む)

2.ユダヤ人の経済世界支配

(ロスチャイルド家などに代表
される経済的支配への反感)

3.社会的エリートへの妬み

(多くの有名人や知識人を
輩出している事への嫉妬)

4.人種論

(人種的偏見)

様々な理由が考えられます。

当然、一つではないでしょう。

しかしこうした部分を考えるほど
人間の特徴、そして克服すべき
課題も見つかるような気がします。

こうした迫害の理由を主に
ユダヤ人に見出そうとするのが、
一般的な反ユダヤ主義である事に対し、

反論を見出したのがサルトル説です。

サルトルが考えるユダヤ人が嫌われる理由

ここでサルトルは

「ユダヤ人をなぜ嫌うのか?」

と言い「嫌われる側」でなく
「嫌う側」にスポットを当て

その理由や背景を解いている部分が
かなり興味深いのですが、

多くの人は

「なぜユダヤ人は嫌われるのか?」

と考えてしまうのですが、

「嫌う側」の分析こそ重要だと言う
姿勢でサルトルさんは書いています。

ここでその前書きで書かれた訳者の
サルトルの分析の要約を引用します。

ユダヤ人と言う言葉は、私たちに
金銭と暗さを同時に連想させます。

聖書以来、それは呪われた民族で、
国を失い、ジプシーとなって
世界を放浪する人々か、

シャイロック以来、
陰険な鷲鼻の商人で、不正利得に
よって積み上げられた財力を借りて、

ユダヤ資本主義による
世界制覇を目指す野心家か、

フリーメイソンをはじめとした
秘密結社を結ぶ反社会的勢力の
中心であると考えられるのです。

…中略

しかもそれらの概念は、
論理的な基礎を持つわけでも、
経験に基づいたものでもなく、

むしろヨーロッパにおける
根強い反ユダヤ主義が、

ユダヤ人との具体的関係をほとんど
持たない日本にまで滲み込んで、

私たちがそれを断片的に受け入れて
いることを示していると言えましょう。

…中略

サルトルは、2000年来の
ユダヤ人迫害の原因が、

決して被害者側には見当たらず、
むしろ加害者側にあったことを
明らかにします。

上は聖書から、下はヒトラーまで
反ユダヤ主義は、

ユダヤ人の背中にすべての
社会悪の責任をなすりつけ、

選民的全体主義を打ち立てる
手段であったと言うのです。

彼によれば

「もしユダヤ人が存在しなかった
ならば、反ユダヤ主義たちは

それに変わるものを作り上げただろう」し、

「他の国においては、それが黒人であったり、
黄色人種であったりする」のです。

悪者を仕立て上げる人間の歴史

ベニスの商人、シャイロック
古代オリエントやローマ時代、

もちろん民族間、部族間の
対立抗争は存在していましたが、

「ユダヤ人を攻撃する」

という思想は無かったわけです。

実際に反ユダヤ主義が始まった
のは12世紀頃だと言います。

それから時を経て現代社会でも、

平和で平等な世界…

と言うのはあくまで理想であり、

現実的に私たち人間の心理は常に
差別や悪者を仕立ててしまう
ものなのかもしれません。

また、

「苦難は忍耐を生み、忍耐は
知恵を生み、知恵は希望をもたらす」

というユダヤ格言があるように、

長きに渡る異教徒からの迫害こそが
ユダヤ人の結束と知恵を生んだ事も
確かでしょう。

反ユダヤ主義が無ければ、
今のユダヤ人がなかったとも
言えるのかもしれません。

逆境をバネにそれを乗り越えて
成長するというのも人間の性質の
一つだからです。

いずれにせよ、

物事を狂信的に一つの
角度から見るのは危険です。

先ほどのサルトルの主張で出てきた
シャイロックというのは、

ウィリアム・シェークスピアの
「ベニスの商人」に出てくる強欲な
金貸しのことで、

ユダヤ人という設定です。

非常に偏見に満ちた
ヒール役として描かれています。

キリスト教社会が
ヨーロッパで確立されると、

ユダヤ人の信者であり、

キリストを殺したとされる
ユダヤ人は常に迫害の対象になります。

キリスト殺しの嫌疑は1965年の
第二バチカン公会議で

正式にパウロ6世
によって取り下げられるまで、

延々と、歴史の表舞台でユダヤ人を
迫害する理由の一つとされてきました。

反ユダヤ主義の罪をさらに
踏み込んで言及したのは、

ヨハネ・パウロ2世でしたが、

パウロ2世は2000年、
イスラエルを訪れ、

反ユダヤ主義は、キリスト教の
教えに背くものだと述べたのです。

ねたみやそねみの気持ちはないか?

従って、現在では反ユダヤ主義の
言動は表だって表れにくいですが、

サルトルが言うように、

社会は常に

「世の中が悪いのは、あいつらのせいだ」

と指弾し、社会悪を全面的に
背負わせる対象を求めています。

これがユダヤ人が嫌われる理由の
大きな背景だと思うのですが、

例えば不況が訪れた際には、

欧米では移民がやり玉に挙げられた
ように、社会に危機が訪れた時、

「それはユダヤ人の陰謀だ!
奴らが金融操作をしているからだ!!」

と糾弾する人間は
何時でも現れるのでしょう。

またそれは対象を変えて
次から次へと偏見が偏見を生み、

ときに収拾がつかなくなるほどの
暴走を見せるかもしれません。

そしてその責任転嫁の対象は
誰になるかは予想もつかないわけです。

例えば身近な、いじめ問題でも

「いじめっ子が悪い」
「いじめられっ子は可哀想」

などあまりにも短絡的に問題を扱おう
とすれば本質が見えなくなる気がします。

恐らく人間の真実は、

100%悪も100%善もない

すべてが混じった存在でしょう。

そう言った中で

ユダヤ人は悪

と決めつけるのは非常に乱暴です。

私の中にもあなたの中にも、
良い部分と悪い部分があり、

視点、見る人によってその特徴を
際立たせてしまうことがあるわけです。

しかし、時として世論や世界の
風潮は偏ってしまう事があります。

お金儲けが上手い成功者が多い
ねたみや嫉妬の感情も交じって
いるのでしょう。

真実は分かりませんが、
人の心とは複雑なものです。

誰にも答えは出せないものですが、

ユダヤ人が世界的に嫌われる理由を
考えてみる事には意義があるかもしれません。

そしていつの日か人類が宗教を理由に
争う事から卒業できる日が
来る事をと願っています。

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コメント

  1. Mozguz より:

    ■「ユダヤ人はいつ、どうやって発明されたか?」 シオニズムとイスラエル建国理念の虚妄の本ベストセラーに
    megalodon.jp/2016-0807-2014-34/tajimaiclc.at.webry.info/200806/article_3.html

    • admin より:

      Mozguzさま、コメントありがとうございます。
      今後ともよろしくお願いします。

  2. 匿名 より:

    個人的には上記の迫害の内容とかはどうでもいい。
    自分がユダヤ人を信用できないのはイスラエルの存在のせいだな。
    アメリカの中枢を操ってイスラエルを支援させてるのは事実だから、その辺を知ってると警戒するなというほうが無理があるよね。

    • admin より:

      コメントありがとうございます。
      確かにそうですね。
      今後ともよろしくお願いします。

  3. 匿名 より:

    デーブスペクターがある日本人と対談した際ゴイム!と何度も言ってました
    豚!として家畜!としか見てないんでしょう
    選民思想ですねお前ら豚を飼ってやってるんだ、感謝しろ!
    ユダヤ人最低ですね

    • admin より:

      コメントありがとうございます。
      ユダヤ人の選民思想は確かにある気がします。
      しかし彼の場合はジョークではないでしょうか。
      まあ、真意は誰にも分かりませんが。

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