ドラッカーの説く経営における弱者の戦略、ゲリラ戦略とは?


今回のテーマは、

ドラッカーの説く経営における
弱者の戦略、ゲリラ戦略とは?

について紹介します。

さて前回紹介した、

経営の王道戦略ですが、

どんな企業も
資金も人材も豊富であり、

強者の戦略をとれる訳ではありません。

戦略そのものがパワーを持つのではなく、

適切な戦略をとってこそ
初めて効果を発揮するのです。

戦略の選択によって
失敗も成功も分ける事があります。

さてここで、
ドラッカーの説く経営における
弱者の戦略というのは

強者の弱点を突く
ゲリラ戦略と呼ばれるものです。

戦略論を、はじめて定量的、統計的、数学的に
取り扱ったのが、イギリスのF・W・ランチェスター

彼が発表した著名な
ランチェスター戦略の理論においても、

「第一法則(弱者の法則)」
「第二法則(強者の法則)」

があり、

弱者の戦略は一騎打ちの戦略と呼ばれています。

兵力(経営資源)に劣る
小さな組織が大きな組織に挑む場合、

総力戦や確率戦を避け
局地戦や接近戦を選ぶ、

敵の弱い部分を突き、
兵力を一点に集中させる、

それが物量における
不利を克服できる効果的な方法だとしています。

もちろんウィンウィンの関係を目指す経営と
ウィンルーズの関係を目指す戦争は
全く違うものですが、

戦略としては参考になります。

そして大手既存企業がひしめくなか

弱者であるベンチャー、起業家がとるべき
経営戦略としてドラッカーが挙げているのも

弱者が強者の弱点を突く

「ゲリラ戦略」と呼ばれるものです。

ドラッカーの言う弱者の戦略とは?

ドラッカーの説くゲリラ戦略には

「創造的模倣戦略」と「柔道戦略」

この2つの方法があります。

いずれもドラッカーの造語で

創造的模倣と言うのは

創造的かつ真似…
という矛盾した言葉のような言葉ですが、

この戦略の本質を捉えた言葉です。

例えば、

他社が開発した製品や
サービスをより深く研究し、

先駆者よりも優れたものを
提供する事によって

市場で支配的な地位を占める言葉です。

つまり、新製品の開発ではなく、

既製品の改良や完成度に
力点をおいたイノベーティブな
後追い戦略です。

日本人が得意とする戦略で、

この成功例をドラッカーも、

IBMやクオーツ時計分野における
日本のセイコーなどを例に挙げていますが、

パナソニックもこの戦略をとっていました。

この経営における戦略は

いわば他人の成功を
利用するやり方ですから、

失敗はありません。

また先行者が切り開いた
市場や需要の動向をじっくり観察し、

それを製品に反映して
より顧客志向に改良できると言う

二番手のメリットを活用できる
と言うアドバンテージがあるのです。

日本企業が得意とする弱者の戦略

もうひとつ、弱者がとるべき
有効なゲリラ戦略が

柔道戦略と呼ばれるものです。

これはかつて小さな日本企業が
大きなアメリカ企業に対して使った
経営戦略で、

先行者の優越感やプライドによる
隙をついて既成市場を奪取するという
やりかたです。

トランジスタが開発された時、

ラジオやテレビの真空管に
取って代わる画期的な技術であることは

アメリカの家電メーカも
熟知していました。

ところが彼らはそれが自分たちの
業界で発明されたものではない事を理由に、

トランジスタの利用に踏み切りませんでした。

その間隙を突いてトランジスタの
ライセンスを真っ先に取得したのが

当時は全く無名のソニーでした。

ドラッカーは柔道戦略の例として

ここでも日本企業がかつて持っていた
アジリティ(敏捷性)を成功要因としてあげています。

それ以降も、日本企業は
何度もこの方法でアメリカ企業の
市場を奪っています。

しかしアメリカ企業は何度痛い目にあっても
自分たちの敗北を素直に認めようとはしませんでした。

弱者の戦略は今でも有効な経営戦略

ドラッカーはこの柔道戦略の
成功しやすい要因を以下の
5つのポイントとしてあげています。

1.新規参入者の発明を軽視

2.利益の上がる顧客だけを相手にする

3.製品の市場価値を見誤る

4.創業者利益と言う幻想

5.多機能を追求する

この先行者の隙に入り込むのが
この経営戦略の肝なのです。

第二次大戦で

アメリカは日本軍に対して
ランチェスターの二つの戦略を
巧みに組み合わせて勝利を得ました。

特に上陸作戦などで主に
「弱者の戦略」を使い成功した事から

戦後、それは経営、マーケティングにおける
地域戦略にも応用されました。

例えばアメリカ企業が
ヨーロッパ市場に後発参入する場合などは、

相手の弱点を突いて一点集中
攻め立てる方法が大きく功を奏しました。

そんなアメリカ企業はかつて打ち破った
敵である日本企業から

同様のゲリラ戦略によって
痛い目に遭わされたのです。

さらに日本より後発参入の
アジアの中国や韓国企業に

最近の日本企業は苦しめられている
と言う現状もあります。

それほど強力なこの戦略、

いずれにせよ二番手のメリットを
活かした創造的模倣、

先行する企業の弱点や隙をついて
局地戦で有利に立つ

ドラッカーの指摘するゲリラ戦略は

起業家にとって極めて参考になる
経営戦略と言えるでしょう。

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