ドラッカーの考えるマネジメントとイノベーションの相互関係


今回のテーマは、

ドラッカーの考えるマネジメント
とイノベーションの相互関係

について紹介します。

一般的なイメージでは、

マネジメントは管理主体の
左脳を使った作業で、

イノベーションは創造性主体の
右脳を使った作業など、

一般的なイメージでは
水と油のような相反する概念、、
とまではいかないものの、

かなり性質の違うものと言った
印象があるでしょう。

ステレオタイプ的なイメージで言えば、

クリエイティブでイケイケの経営者は
イノベーションを起こし、

業界にインパクトを与え
企業の成長性を重視する。

一方で保守的で安全重視の
マネジメントをしっかりとした経営者は

攻めよる守りを重視する。

と言うイメージがあります。

しかしドラッカーはこの
二つの概念を興味深い観点から
論じています。

ドラッカーの考える
マネジメントとイノベーションの関係
と言うのはどんなものでしょうか?

マネジメントとは

「企業の維持、発展のための経営管理」

と言った意味ですが、

管理と言う言葉には
保守的で画一的なイメージがあります。

新しい動きや異質なものを許さず

むしろそれらを排除する事によって
企業が成立しているような
感じを受けます。

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対立するマネジメントとイノベーションのイメージ

マネジメントは

「大量生産の時代に、
生産効率を上げるために社員を
整然と動かす事を目的とした科学的な管理手法」

そんなイメージがいまだに強く、

日本ではマネジメントは
既存組織を存続させるために経営手段とか、

前例踏襲や現状維持のための方策など、

組織経営に置ける技術論として
語られる事が多いようです。

また不満を持つ者が会社を辞めて

自由な発想と新しい技術によって
会社を起業する、

イノベーターがもてはやされる事があります。

この起業家精神と旧来のマネジメント、

或はマネジメントと
イノベーションの間には

対立的な図式が成り立っているようです。

しかし対立しているからと言って

どちらかが正しくて、
どちらかが間違っている、、

という風に捉えれば
大きなビジネス上の盲点が生まれます。

水と油は対立しても、
どちらも必要で重要なものです。

この二つの相互関係を
しっかり理解する事が大切です。

ドラッカーの考えるマネジメントとイノベーション

アップルやグーグルなど最先端の
テクノロジー会社に感化され、

「これからの世界に必要な
ビジネススキルはイノベーションだ!」

などという人もいますが、

しかしこれはステレオタイプな
見方に過ぎず、

マネジメントと起業家精神は
対立するものではなく、

むしろ相互補完的なものだ

とドラッカーは言っています。

マネジメントの概念が進化してきた結果、

マネジメントは起業家精神と
イノベーションの領域も含むように
なったからだと言う事です。

したがって、起業家精神と
イノベーションは何も新しい
組織や事業の専売特許ではなく、

既存の大企業にも適用できる

いや大企業こそ絶えず内部に
イノベーションを起こしたり、

社内ベンチャー的な動きを
促していかなくては組織は停滞し、

やがて衰退していかなざるを得ません。

逆に言えば、新鋭機風の
ベンチャー企業であっても

イノベーションだけでなく、
しっかりしたマネジメントシステムが必要であり、

それがなければ、いつしか
成長もストップして一気に破滅する

と言う事になりかねないのです。

コインの裏表の相互関係

よく言われるように、

もはや企業社会にあっては、

現状維持はすなわち退歩を意味するのです。

「不易流行(ふえきりゅうこう)」
と言う言葉がありますが、

変化しない本質的なものを
いつまでも忘れない中にも、

常に新しく変化を重ねているものを
も取り入れていかなければならない。

と言う意味の言葉ですが、

既存組織のマネジメントが
いつまでも変わらない=「不易」で

ベンチャー精神やイノベーションが
時代に応じて変化する=「流行」という

二元論的な捉え方ではなく

どちらも大切と言う事です。

ドラッカーの言葉を借りれば、

この二つはコインの裏表の関係、

つまり不易は流行を取り入れる事で

初めて不易の状態を継続できるし、

新しいものも既存の
良い所を吸収する事で成長できるのです。

多くのベンチャー企業が優れた
アイデアや有望な技術を持ちながらも
失敗をするのは、

着実なマネジメント能力が
欠落しているからではないでしょうか。

「絶えず変わっているからこそ、
変わらず存在できる」

こうした逆説的な意味も含めて

マネジメントと言う不易のシステムは
イノベーションや起業家精神と言う流行を
既にその内部に取り組み、

相互関係を築くとともに、
一つの体系として位置づけられるようになった

とドラッカーは言っているのです。

ドラッカーの説くマネジメントの目的

ドラッカーは

「マネジメントとは何か」の定義
目的を7つあげています。

1.人間に関わるもの。
優れて人間的なものである

2.人と人との関係に関わるもの。
国や文化と深い関連を持つ。

3.組織のメンバーに仕事に共通する
価値観と目標を持たせる役割がある。

4.組織とそこに所属するメンバーを成長させるもの。
そのために教育、訓練を施す必要がある。

5.組織に所属するメンバー間の意思疎通、
責任の確立などを促すもの。

6.数字だけでなく、組織活動に関わる
多様で総合的な評価基準を持つ。

7.顧客満足と言う最大、最終の目的

1、2は人に関わるもの
3~5は組織と人に関わるもの
6、7は組織の評価、成果に関わるものであり、

それぞれ人、組織、成果の
マネジメントと分類できます。

いずれにせよ、
これからはっきりと分かるのは、

ドラッカーはマネジメントを
経営やビジネスにおける管理法といった
狭義から抜け出して、

人の成長や幸福に関する
人文科学的な学問として
広義に捉えていると言う事です。

マネジメントの本質は「人間学」

マネジメントと言う言葉は
ただの管理、コントロールと言う事、

もしその対象が
ものやお金など数値で計れるものであれば
簡単ですし誰でもできます。

そしてビジネスでは
そこを見る必要があります。

しかし私たちが本当に行うのは
人間のマネジメントなのです。

ものやカネほど簡単ではありません。

色々な考え分か背景を
持つ人が集まり、

複雑な動きがあり、
様々な影響があります。

したがって、人に対する深い洞察力、
広い知識や教養がないと、

確かなマネジメントを
行う事は不可能です。

それは人間の心を扱う、
人間の本質にも届く
「人間学」であると

ドラッカーは喝破しています。

だからこそ常に勉強し
成長していく姿勢こそが、

リーダーに求められるのです。

そしてグローバルに規模が広がる
今後の情報化時代に置いて、

このスキルこそもっとも
有益性を持つスキルになるでしょう。

このようにマネジメントを

組織経営における技術論から

人と組織を成長させるための
哲学へと格上げした点に、

ドラッカーのマネジメント論の
独自性があるのではないでしょうか。

マネジメントもイノベーションの相互関係も
そう言う意味でビジネスにおける
大切な事なのです。

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