ドラッカーのコミュニケーション論の本質「情報と知覚の違い」

ドラッカーのコミュニケーション論の本質「情報と知覚の違い」
今回のテーマは、

ドラッカーのコミュニケーション論
の本質「情報と知覚の違い」

について紹介します。

ビジネスの成功にとって
適切なコミュニケーションは必須です。

そんなコミュニケーションについての
ドラッカーの洞察はやはり独特なものです。

特に「情報と知覚の違い」
について興味深い示唆をしています。

日本人と欧米人の
コミュニケーションスタイルには
違いがありますし、

やや分かりにくい所もありますが、

極めて本質的な分析を行っており、

説明は哲学的なでありながら
実用的な側面もあって

ドラッカーの多くの説の中でも
とても魅力のある部分です。

ビジネスの発展に大いに
参考になる部分があるので、

ここで紹介していきます。

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ドラッカー流コミュニケーションの本質

禅にも造詣の深かった
ドラッカーは

例えば、

禅の公案にある

「木が倒れても、
それを聞く人がいなければ、
音はしていない」

と言う例説をあげて、

この音こそが
コミュニケーションの
本質だと言っています。

量子力学の世界でアインシュタインも

「月は人が見ている時にだけ存在するのだろうか」

と言ったと言われていますが、

なかなか深い言葉ですね。

まず聞く人がいないと
コミュニケーションは成立しないというのは
考えさせられます。

コミュニケーションの主体は
情報の発信者だと思われがちですが、

実は逆で、

優れたコミュニケーションとは

情報の受信者が
主人公なのだと指摘しています。

一方的にまくしたてて
喋るまくるセールスマンが

実はトップセールスマンではなく、

本当のトップセールスマンは
寡黙で人の話を良く聞くと言います。

また私たちは聞きたいと
期待しているものだけを聞き、

見ようとしているものだけを
見る傾向があります。

従って、円滑なコミュニケーションをするには、

受け手の関心がどこにあるのか、

知的水準はどのくらいかといった
点を十分に考えなければいけません。

ビジネスにおけるコミュニケーションの誤解

ドラッカーの説く
コミュニケーションの本質を
誤解してしまい、

仕事の現場で良く起こるのは

コミュニケーションの主役が
発信者であるとの間違った
考えによる悲喜劇です。

会社の考え方を伝えるため、

現場の理解力を考慮する事なく、
難しい言葉を駆使して配布したビラ、

消費者に向かって言いたい事だけを
述べている広告、

部下の関心に関わりなく上司としての
権限を使った説教、

など、いくつも例を挙げる事ができます。

すべて共通点は
一方的な意見と言うもの。

「伝える」ことに熱心ではあっても

相手に「達する」事ができるかには
関心を払わない、

こう言うケースは山ほど目にする事が
できるはずです。

「伝達」と言う言葉には
深い意味が隠されています。

上司は部下に言葉を伝えるのが目的でなく
適切な行動をしてもらうのが目的です。

広告主は消費者にメッセージを伝えるために
広告を打つのではなく

買ってもらうために広告を打ちます。

本質を常にぶらさないように
注意しなくてはいけません。

コミュニケーションにおける「情報と知覚」

コミュニケーションと情報を
峻別している点も

ドラッカーの独自の視点です。

ドラッカーは

「情報を伝えるには送り手と受け手の
間の感情的(人間的)なつながりが必要で、

それこそがコミュニケーションの本質だ。

従って、優れたコミュニケーションに
必要なのは情報の交換ではなく、

知覚(感情)の共有だ」

と言っています。

これを私なりに読み替えると、

情報とは車で、

感情的なつながり、
つまりコミュニケーションが道路

に相当するのではないでしょうか。

いくら車に荷物をたくさん積んでも、

道路が敷かれていなくては、

何も運ぶ事ができないからです。

企業とは、コミュニケーションで
成り立っている組織です。

営業は取引先との
コミュニケーションによって

マーケティングや広報は
市場や消費者とのコミュニケーションの
交流を保つ事がその活動の中心になっています。

人事であれば、

人の異動で組織内の
コミュニケーションを活性化させる
事に主たる目的があります。

要するに経営とは

コミュニケーションによって
内部資源を活性化させ、

商品やサービスを作り出し、

外部とのコミュニケーションを通じて
それを社会に提供し、

その結果をコミュニケーション活動によって
組織内に取り込み、

再び内部のコミュニケーションを
活性化させる一連の流れの事なのです。

企業活動はコミュニケーションを中心に

つまり情報の伝達だけでなく、

情報を介した「有機的な関係性」や
「双方向的な人間のつながり」の集積が

企業活動そのものと言えるのです。

コミュニケーションを中心に
組織を考える事がこれからの時代は
ますます重要になっていきます。

私は会社員として
マーケティング部門、

つまり外部、消費者との
コミュニケーションを主とする仕事も、

人事部として内部、つまり社員との
コミュニケーションを主とする仕事も

どちらも経験しましたが、

「現場の声」への対処が
上手くいかない事が労務問題へと発展し、

「お客様の声」に
うまく対応できない事がサービスの
低下につながる事を痛感しました。

そしてこの2つの声は、
実は同じものである事も知りました。

上下、左右、斜めの
コミュニケーション回路が機能せず、

その中で情報が高速で流れていない
状態が企業の抱える問題の本質なのです。

昨今の企業の不祥事を観察すると、

形式的にはコミュニケーション回路が
できているのですが、

その回路の中を情報が
スムーズに流れていないことが
致命傷になった事が分かります。

「企業の本質はコミュニケーションである」

ということを、

もっと意識すべき時代になってきたと言う事です。

広報、IR、営業、宣伝、人事、労務、開発など

あらゆる部署がそれぞれ
企業コミュニケーションの活性化を
担当していると考えるべきなのです。

この経営の死命を制する
コミュニケーションの活性化について、

全体的な視点から戦略的に
取り組む企業が生き残っていけるのです。

あらゆる組織で、

理念、方針、商品、企画、
各種プロジェクトなどの情報を
分かりやすい形で組織の内外に

提供できるコミュニケーション能力、

そして外部顧客や関係者の
ニーズを的確に把握できる

コミュニケーション能力が
求められる時代になってきました。

ドラッカーのコミュニケーション論を
「情報と知覚の違い」を参考にして、

社内の社外のコミュニケーションの
見直しをぜひ計ってみてください。

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